Synergyは2016年第2四半期に出荷を開始する。SynergyはHPEが2015年6月に打ち出したコンポーザブル戦略「Project Synergy」の一部となる。HPEは発表時、フェーズ1としてソフトウェアオートメーションとしてVMware、Chef、DockerなどAPIを利用するパートナーの拡充を行ってきた。今回の製品としてのSynergy発表は、これに続くフェーズ2となる。
次のフェーズ(フェーズ3)は何か。MacDonald氏によると、エンドツーエンドでのオートメーション、管理、分析などをアプリスタックにもたらすという。
最後のフェーズ4は、「The Machine」ビジョンへの融合となる。(関連記事)

HPEのコンポーザブル戦略Synergyは、2015年夏の発表にスタート。開発コードを冠した製品「HPE Synergy」の発表はフェーズ2となる
日本での戦略について、日本ヒュレット・パッカードでプリセールス統括本部サーバ技術本部サーバソリューションアーキテクトを務める三宅祐典氏は、顧客の課題を「適切なミックス(ライトミックス)」という言葉で表現する。「今後2年間のITの行き先がクラウドになるとしたのは72%。このうち26%がパブリッククラウド、残り74%はプライベートクラウドだ。
伝統的なオンプレミスかパブリッククラウド化かどちらかというのではなく、その中間で段階がある」と三宅氏。伝統的なIT、コンバージドインフラを使って仮想化を進めた環境、プライベート/マネージドクラウド、パブリッククラウドをそれぞれの顧客にあった形でバランスよく配備していく支援をする、という。
具体的には、それぞれの環境を見てどのようにミックスするのかを定義し、それに合った製品とソリューションを提供する。
HPEは2015年10月にパブリッククラウドからの撤退を廃止、12月にMicrosoftと提携して「Azure」を推奨パブリッククラウドとして提供することを発表した。
同時に発表したHyper-Vベースのハイパーコンバージドインフラ「HPE Hyper Converged 250 for Microsoft Cloud Platform System Standard(CS 250)」は、すでに提供しているVMware vSphere向けのコンバージドインフラに続くものとなり、米国での提供も開始した。
これに合わせて、さまざまなクラウドワークロードやクラウドプロバイダを管理するブローカーサービス「HPE Helion Managed Cloud Broker」を発表した。このように、インフラベンダーとしての戦略を固めつつある。
「ハイブリッドインフラをどのようにバランスよく構築していくかが重要となる」と三宅氏、これがHPEの戦略の要となりそうだ。