ただし、アプリや開発ベンダー、メーカーの実装内容、開発状況によりACEだけでは完全に補完できるケースは少ない。どのケースを採用するかは、利用する機能によって要件がかわるため、EMMメーカーやACEの内容を確認して、利用する手法を選択するとよいだろう。
次に、Android for workを利用するケースを紹介する。
iOSと違い、Androidを採用している端末メーカーはさまざまで、機種によってアプリの動作が異なる場合がある。Googleが提供しているAndroid for Workでは、仕事専用プロフィールを作成し、私用アプリとデータを切り離して、企業が承認したアプリや企業データを設定・使用できる。
図5:業務領域と個人領域の分離
Android for workはGoogle Apps for Businessのアドオン機能であり、企業ですでに利用している場合は、無料で利用可能だ。通常、ユーザーはGoogle Playよりアプリを自由にダウンロード可能だが、Android for WorkではGoogle Play for workと呼ばれる企業用のアプリストアを準備しており、使いたいアプリを管理者が承認しないと利用ができない。
図6:Google Play for workでの承認
Google Play for workからダウンロードした承認済みアプリは、企業領域にインストールされ、企業領域と個人領域は完全に隔離されていることから、データが個人の領域に移動することを防ぐことができる。もちろん承認したアプリだけではなく、社内開発したアプリも企業領域にインストールできるため、セキュアにアプリを利用することが可能である。