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日本株展望

ニ極化するPER--製造業が低く、非製造業が高い - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-05-10 11:20

21世紀に入り製造業で成長するビジネスモデルが崩壊

 20世紀は、モノの豊かさを求めて人類が努力した時代だった。当時は、モノの大量生産技術を開発した製造業に投資すると、高い投資成果が得られた。ところが、21世紀に入り、状況は変わった。モノは人気が出て一時的に不足しても、すぐ大量供給されて価格が急落するようになった。

 中国・韓国・台湾企業などアジア企業が、製造業で成長するビジネスモデルを壊してしまった。欧米では、競争激化で産業全体に利益率が低下すると、生産を減らすのが普通だ。ところが、アジアの製造業は違う。全社が赤字になってもシェア競争を優先し、生産を減らさない企業がたくさん出た。その結果、「製造業では利益を上げられない」というイメージが世界中に広がった。

サービス化社会を迎え、非製造業が安定成長

 モノが供給過剰になる中、良質なサービスは供給不足が続いている。先日、「保育園落ちた、日本死ね」という女性からのネット投稿が話題になったが、共働き世帯に対する保育サービスは完全な供給不足だ。

 保育に限らず、医療・介護・教育・防犯・警備・トラック運転士・熟練建設工など、良質なサービスが不足している分野はたくさんある。サービスは、モノのように工場で大量生産することができないからだ。供給を10倍にするためには、投入する人材を10倍にしないとならないような分野が数多く残っているからだ。

 供給が需要に追いついていないことから、サービス産業は、安定的に成長が続いている。ところが、この分野では、なかなか上場企業が現れにくいのも事実だ。供給を10倍にするために、人材を10倍投入しないとならないサービス業は、上場企業となりにくい。依然として、サービス産業は無数の中小企業によって構成されている状況だ。

 なんらかの仕組みを作って、良質なサービスの大量供給に成功した企業は、サービス産業で成長企業となる。オリエンタルランド(4661)は、東京ディズニーリゾートを通じて付加価値の高いレジャーの大量供給を実現したので、安定成長企業となった。セコム(9735)は機械警備によって、警備サービスの大量供給に成功した。

 今、ドローンを警備に活用したり、介護ロボットの開発に注力するなど、さらにサービスの量産技術に磨きをかけようと努力している。

 ITサービスは、いずれも、サービスの大量生産に道をつけるものだ。Eコマースは、リアル店舗を作るコストを省き、ネットを通じて、小売サービスの量産を可能にしたものだ。情報通信・サービス業にPERが高い銘柄が多いのは、景気変動の影響を受けにくい安定成長の仕組みを作ったことに対する評価と言える。

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