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日本株展望

ニ極化するPER--製造業が低く、非製造業が高い - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2016-05-10 11:20

米国も日本も製造業が不振、非製造業が好調

 米国では、製造業不振が長引いている。ただし、米経済では30~40年前から製造業の空洞化が進んでおり、製造業への依存が低くなっている。IT・サービス・消費関連産業の成長が続いているので、肌感覚で見た米経済は好調だ。

 一方、日本は製造業王国だ。円高や世界経済の減速によって製造業の業績が悪化しているため、日本全体の景況が悪化している。ただし、その日本でも非製造業は好調だ。日本で、製造業のPERが低く、非製造業のPERが高いのは、一時的な景況の差を表しているだけではなく、日本も、米国と同様の、サービス化社会を迎えつつあることを株式市場が織り込みつつあると見られている。

米国ISM製造業・非製造業景況指数の推移

(出所:米国ISM供給管理公社)
(出所:米国ISM供給管理公社)

大企業の製造業・非製造業DIの推移

(出所:日本銀行短期経済観測2016年3月)
(出所:日本銀行短期経済観測2016年3月)

稼ぐ製造業のビジネスモデルはどのようなものか?

 「これはサービスです」は、日本語では「無料です」を意味する。昔、日本にはモノを売るためにサービスを無料で提供する慣行があったので、そういう言葉が生まれた。ところが、今の企業には、正反対の行動が広がっている。「アフターサービスで稼ぐために、ハードは赤字で売る」ビジネスモデルが広がっている。アフターサービスは、消耗品の販売、メンテナンス、システム化、カスタム対応、エンジニアリングなど、さまざまな分野に広がっている。

 例えば、日本の機械産業は、汎用機械では利益を得にくくなっている。顧客別のシステム対応/カスタム化が利益を上げる鍵となっている。大量生産できる汎用品は低収益で、少量多品種の特注品が利益の柱となることが多くなった。メンテナンスや交換部品の提供も、安定収益として重要になってきている。

 電機産業も同じだ。汎用品の量産競争になりがちな、民生電機分野(テレビや音響機器など)で日本企業は競争力を失った。メンテナンス、システム化、カスタム対応が重要な産業用電機で、日本企業の競争力が維持されている。

 PCやメインフレームは、今や完全に汎用品となった。NEC(6701)でも富士通(6702)でも、ITサービスで稼ぐためにコンピュータ(ハード)は低収益で続ける時代になっている。OA機器(プリンタなど)も、ハードでは利益がほとんど出ず、消耗品(インクなど)で稼ぐビジネスモデルが定着している。

 製造業では、製造を外部委託して、生産管理・商品開発・販売企画だけを行う「ファブレス」企業も好調だ。キーエンス(6861)は、ファブレス製造業の強みを生かし、安定的に高収益をあげている。製造小売業と言われる良品計画(7453)やファーストリテイリング(9983)も、ファブレス製造業と同様の強みを持つ。

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