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Linuxに移行したミュンヘン市は今どうなっているのか? - (page 3)

Nick Heath (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2016-05-12 06:00

 また、ソフトウェアに関する問題に対処する必要があったため、さらに遅れが生じた。Glogowski氏は、「LibreOffice 4.1.2」の「不備な点」を解決したり、「KDE 4」が「壊れて」いる問題や、「メールの統合機能が壊れていて、遅い」問題に対処する必要があったことなどを例として挙げている。

 さらに同氏は、2015年に行った発表で、ソフトウェアリリースに対するテストの難しさについても語っている。同氏によれば、ミュンヘン市議会に22のIT部門があり、50カ所の拠点を管理していることが、そのプロセスを複雑にしているという。

 同氏は当時、「これは大変な作業量であり、多くの作業は中央のIT部門ではなく、各部署のIT部門で行われている」と述べている。

 またGlogowski氏は、それらの小規模なIT部門が管理するハードウェアで発生するアップデートの問題が、中央のIT部門で行ったテストで発生しないことは「よくあること」だったと付け加えている。

今後の展開

 今回の中間とりまとめ案の影響について、Free Software Foundation Europe(FSFE)のプレジデントMatthias Kirschner氏は、FSFEの評価では、Accentureの調査結果で明らかになった問題は、クライアントPCそのものではなく、PCの管理の仕組みと、バックエンドのインフラストラクチャにあると述べている。

 「この調査では、クライアントPC(GNU/Linuxか商用ソフトウェアかを問わず)に関する具体的な問題を指摘しているわけではない。問題は、ITセキュリティが、特にクライアントレベルで、仕事を進めるにあたって悪影響を与えるものだと捉えられていることだ。

 さらに、バックエンドサービスと組織内における開発サービスの大半が、古くなったソフトウェアコンポーネントに依存しており、これが不安定さの原因になっている。

 また最後の問題は、第1段階のサポートと第2段階のサポートの間に緊張関係が見られることだ」(Kirschner氏)

 この報告書の結論が、LiMuxやその他のオープンソースソフトウェアの利用を中止すべきだという意見を補強するために使われる可能性について、FSFEは調査結果の1つを懸念事項として挙げた。

 「報告書では、GNU/Linuxや、『Thunderbird』などのその他のフリーソフトウェアクライアントの市場シェアが、2006年に予想されていたよりも小さいことが強調されている。それらのソフトウェアの実装は「より一般的」な商用環境と同等のものだが、過去にフリーソフトウェアに反対していた市議会議員が、この調査結果を受けて、ミュンヘン市のIT環境は特殊なものだと主張するかもしれない。その上で、市議会が特殊な環境は望まないという決定を下せば(実際には、今日ではそれほど特殊なものではないが)、フリーソフトウェア界にとっては不利に働くかもしれない」

 ミュンヘン市議会は、6月にAccentureの最終的な調査結果がまとまるまでは、一切の判断を行わない。同市議会の広報担当者は、最終報告書については、2016年の第4四半期に議論される予定だと述べている。

 FSFEのKirschner氏はまた、最終報告書ではミュンヘン市のITに関する今後の方向性について勧告が行われるはずだが、勧告がそのまま採用されるとは考えていないと付け加えた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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