「セルフサービスBI」の取り組みには注意が必要 --ガートナー

NO BUDGET 2016年05月12日 07時00分

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 ガートナー ジャパンは5月10日、2016年以降の日本における情報活用とコラボレーションに関する展望を発表した。それによると、「アナリティクスとビジネス・インテリジェンス(BI)」の分野においては、2019年までに大企業の80%以上において、ビジネス部門主導で利用を開始するクラウド・アプリケーションやBIツールが増加し、データに対する分析要求が一層多様化する予測されるという。

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 情報活用とコラボレーションの領域では、クラウドやコンシューマーテクノロジを取り入れた、ビジネス部門主導の取り組みがますます拡大していくと考えられる。IT部門がIT予算を一元的に管理しているという企業が次第に減少する一方、ビジネス部門が独自のIT予算を持つ企業が増加傾向にある。

 ビジネス上の意思決定をより良いものにするに当たり、情報活用やコラボレーションの領域におけるクラウドコンピューティング、ソーシャルネットワーク、モバイルコンピューティングへの期待度は高いものの、IT部門から何かが提供されるのを待つのではなく、独自の判断で利用に踏み切るユーザー部門が確実に増えている。

 グラフィカルで分かりやすいことや、初期費用が安価(場合によっては無料)であることを特徴とした製品やサービスが市場に数多く提供されると同時に、「セルフサービスBI」という言葉や考え方に対する注目が高まっている。ユーザー部門が独自のIT予算を持つ企業が増加傾向にあることに加え、クラウド、特にSaaSによるアプリケーション調達の一般化により、IT部門が関与しないところで新たなアプリケーションが利用され始めている。

 さらに、そのようなアプリケーションで生成されたデータを分析することも、「セルフサービスBI」に期待される役割の1つとなっている。このような動きは、今後加速度的に広まり、データから得たいと考えることを、ビジネス部門のユーザーが自身の手で迅速かつ柔軟に得られる局面も広がっていくとみられる。

 一方で、手近なデータを自由に分析することができるようになると、多くの場合、より広範なデータを使った分析を指向するようになってくる。その際、データ統合に対する組織の戦略や基盤が整備されていれば、その方針や基盤を通じてデータを授受すればよいものの、現実の世界では、個別の部門やプロジェクトの都合を優先し、ポイントツーポイント型でデータの授受を行うことが主流となっている。

 ガートナーが2015年2月に実施した調査では、自社のBIおよびアナリティクスの成熟度に関して、6割以上の企業がデータを統合できていないと評価し、その中には、その都度Excelなどで対応しており無秩序な状態であると回答した企業も1割弱存在していたとのこと。

 ガートナー リサーチ部門 マネージング バイス プレジデントの堀内秀明氏は、以下のようにコメントしている。

 「ビジネス部門が独自に推進するデータ分析活動が活発化していくと、個々の部門やプロジェクトの要望に合わせたデータをIT部門が場当たり的に提供せざるを得ない局面が増加すると考えられます。加えて、このような取り組みでは、パブリッククラウド環境を利用することが多くなると考えられるため、データの散在に拍車が掛かります。その結果、部門最適の戦術的な判断が高度化していく一方、全社最適の視点での戦略的な判断に適したデータを入手することは、現在よりも困難になるでしょう」

 また、同氏はアナリティクスとBIを推進するITリーダーに向け、以下のように提言している。

 「アナリティクスとBIを推進するITリーダーは、セルフサービス型のBIであってもユーザー任せにするのではなく、データアクセス環境の整備やデータ活用に関するトレーニングの提供を通じ、より効率的なデータ利用を推進すべきです。また、複数の部門間で類似した取り組みや、データ処理の重複を検知した場合は、当該処理をIT部門で巻き取るということも念頭に置いて取り組みを進めるべき」

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