アプリを開発する際、その機能や特長に関するテストは実施するものの、使い勝手に関する評価をなおざりにしてしまっているケースがあまりにも多く見受けられる。しかし、ユーザーフレンドリーでないアプリは、ユーザーに見向きもされなくなる可能性がある。このためアプリの開発時には、機能や特長だけでなく、エンジニアリングのヒューマンファクター側にも注意を払うべきだ。本記事では、アプリを開発する際に、その使い勝手を良くするうえで留意すべき10のポイントを解説する。
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#1:分かりやすい画面遷移
アプリの画面遷移を決定する際には、ユーザーがアプリ内を自由に動き回り、さまざまな機能を容易に実行できるよう考慮しておくべきだ。画面遷移が複雑、あるいは冗長な場合、ユーザーはアプリの使用をあきらめるかもしれない。残念なことに、新規アプリを開発する際、画面遷移時のユーザビリティに対する要求が設計仕様に記述されない場合もしばしばある。しかし、こういったものは明文化しておくべきなのだ。
#2:ユーザーを巻き込んだテストの実施とユーザビリティの確認
エンドユーザーは、アプリの機能や特長に関するテストだけでなく、アプリのユーザビリティに関するテストにも参加するべきだ。開発プロセスの初期段階からエンドユーザーに参加してもらい、使用しにくい成果物の開発に向かって進んでいかないよう、目を光らせておいてもらうべきなのだ。
#3:アプリが使用される環境
アプリの設計担当者は、そのアプリが使用される環境についても理解しておくべきだ。例を挙げると、開発しようとしているアプリは、倉庫内の作業などで両手がふさがっているユーザーの使うハンドヘルド機やモバイル機器上で動作するもの、すなわち音声操作が必要なものなのだろうか?また、被疑者の車を高速で追跡するパトカーの車内のような、振動の激しい場所で迅速にデータにアクセスしなければならないものなのだろうか?あるいは、メキシコのコーヒー豆工場で使用できるような、スペイン語への対応が必要なものなのだろうか?こういったユースケースはすべて、アプリの設計仕様書に記述しておくべきだ。
#4:意味のある見出しやメッセージ
IT部門はアルファベットの略語と専門用語が飛び交う世界に生きているため、アプリの入出力フィールドに対する見出しとして、一般的なエンドユーザーが理解できない言葉を知らず知らずのうちに使ってしまうこともしばしばだ。その結果、ユーザーをいらつかせるだけでなく、アプリの誤用を引き起こす可能性もある。
#5:効果的なサポート
アプリをインストールする前には必ず、エンドユーザーへの訓練を実施するとともに、エンドユーザーが何らかの疑問を持った際にすかさずサポートできる人材を用意しておく必要がある。