Airbus Group傘下のAirbus Helicoptersは、新型統合化アビオニクス(IMA:Integrated Modular Avionics)システム「ヘリオニクス」に、Wind Riverの基盤「Wind River VxWorks 653」を採用している。ヘリオニクスは認証を取得したエアバス・ヘリコプターズの民間用ヘリコプター「H175」や「H145」に装備されており、パイロット支援機能と直感的なヒューマンマシンインタフェース(HMI)を提供する。ヘリコプター運用効率を高め、IMA手法により性能と安全性を実現するという。
VxWorks 653はIMAアプリケーションを実現するためのCOTS(Commercial Off-The-Shelf:商用オフザシェルフ。アビオニクスなどに既製品のソフトウェアやハードウェアを採用すること)基盤。
この基盤は世界の有人/無人機の商用、宇宙用途の幅広いプロジェクトで主要技術として採用され、200を超える航空会社の75機種以上で、350件以上のプロジェクトで利用されているとのこと。AirbusやBoeingの軍用機/民間航空機である「Airbus A400M」「Boeing 787」も採用している。
ヘリオニクスでは多機能ディスプレイ、フライト管理、コントロールシステム、オートパイロットでVxWorks 653を活用している。リソース管理やパーティショニング機能により、安全度の異なる複数の個別アプリケーションを、1つの基盤上で実行できるという。
Airbus Helicoptersのヘリオニクスプログラム責任者、Christian Frano氏は次のようにコメントしている。
「ヘリコプターの次世代アビオニクスの開発を検討する中で、この分野で実績を持つWind Riverに着目した。Wind Riverの安全技術は他のIMAシステムで検証済みだった。また、システム設計から認証取得プロセスまでの専門性もあるため、開発サイクルが円滑になった」