オープンイノベーションには何が必要か--スタートアップイベント「Slush」の挑戦 - (page 5)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2016-05-12 18:21

――今年は去年と違う取り組みはありますか。

Antti氏 初開催となった去年は1日だけでしたが、今年は2日間の開催となります。その分、スピーカーも増やして挑戦しています。また今回はソフトバンクの次期社長といわれているNikesh Arora氏が講演するほかAlibabaのCTO(最高技術責任者)も初めて日本で登壇します。ピッチコンテストも50~60社になります。そしてもうひとつ、今年はロールモデルを作るために、2015年以上に学生や新卒の人に、当日だけではなくてプロセスの当初から参加してもらっています。このチームで成功できれば、もう日本人だけで(SLASH ASIAが)できますよね。

 海外からこんなにたくさんのスタートアップが日本に来る機会はまずありません。今はすでに300人以上の人がスタートアップに登録されていまして、その約3割が外国から来るのですが、どの海外カンファレンスにいこうかと悩んでいる人たちは、まずSLASH ASIAに行けばいいです。


――今後5年間Slush Asiaでどのようなことをしていきたいでしょうか。

Antti氏 さらに規模を拡大していきたいと思っています。去年は、日本人は英語を話せるということを証明しました。今年は若い人の体制でもできるということを見せたいですね。今後はさらに成長して、失敗してもいいというポジティブなロールモデルを作っていく場、コミュニティにしていきたいと思っています。

加治氏 Slush Asiaもそうなのですが、気になっているのはやはり産業構造の件です。日本がこういう人口ピラミッドになったのは、社会がうまく高度成長期をマネージできたからだと思いますが、アフリカはずっと同じ形です。だとすると、アフリカに日本がやったことをきちんと提供できれば、この地域がもっともっと幸せになっていくかも知れない。

 日本にとって常識的なことが、必ずしも世界の国にとって常識的ではないです。たとえば落とした財布が戻ってくる、電車がきちんと時間通りに動く、すごく清潔であるといったことを、もう少し世界に広げていって、そこにビジネスチャンスを目指し、今後いろいろな課題を解決していくという視点を日本の若い人たちが持てたら、すごくいいことではないかと思います。

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