2016年版のOpen Source Jobs Surveyで明らかになったほかの重要なポイントには、次のようなものがある。
- オープンソース関連人材は、2016年の雇用の最優先事項の1つである。採用担当マネージャーの59%が、今後6カ月間でオープンソースプロフェッショナルの数を増やす予定だと述べている。2015年に実施されたLinuxに限定された調査では、同じ時期に50%がLinux関連の人材を増やす予定だと回答しており、数字は増えていることになる。
- 業界でもっとも求められているスキルはDevOpsだ。採用担当マネージャーの58%は、DevOpsのプロフェッショナルを求めている一方、もっとも必要とされているのは引き続き開発者で、74%が人材を募集していると回答した。オープンソースプロフェッショナルもこのトレンドに同意しており、調査対象の13%が、現在最も必要とされているスキルはDevOpsであると回答している。
- クラウド関連のスキルも需要が高い。調査対象の採用担当マネージャーのうち51%が、OpenStack、CloudStack、あるいは関連するクラウド技術の知識を持つ従業員を求めている。
- 需要が急増しているのはネットワーキングのスキルだ。採用担当マネージャーの21%は、オープンソース技術者の雇用にもっとも大きな影響を与えるのはネットワーキングのスキルだと述べている。
- コンテナは、テクノロジとしては注目を集めているが、求人で求められるスキルとしての需要はまだ大きくない。コンテナの専門家を探している採用担当マネージャーは、8%にすぎない。
- オープンソースプロフェッショナルが仕事に求めているものは、イノベーションとコミュニティと協調して仕事ができる環境だ。雇用に関して重視する項目として、賃金や福利厚生などを挙げるプロフェッショナルは2%しかいない。オープンソースのプロフェッショナルが重視する項目のトップに挙げられたのは、関心のあるプロジェクトで働けること(回答者の31%)であり、それに次ぐのが最新のテクノロジへの挑戦(同18%)、3番目がグローバルコミュニティとの協調作業(同17%)だった。
もちろん、だからといってオープンソースプロフェッショナルの賃金が低いわけではない。実際、彼らの賃金は高い。
DiceのプレジデントBob Melk氏は、「オープンソース人材の需要は高まっており、企業は職位の空席を埋められる、経験豊かなプロフェッショナルを見つけるのに苦労している」と発表文の中で述べている。「オープンソースプロフェッショナルの賃金水準の上昇は、企業が能力のあるオープンソースプロフェッショナルを世界的規模で引きつけ、雇用し、維持する必要性を認識していることを示している」
またLinux FoundationのエグゼクティブディレクターJim Zemlin氏は、「この市場は売り手市場だ。開発が進むオープンソースプロジェクトが増えるのに従い、オープンソースプロフェッショナルは、DevOpsやネットワーキングを含む知識や経験を得て、スキルセットを新しくしていく必要がある。専門性を高め、競争力を維持するには、継続的なトレーニングと認定資格が重要だ」と付け加えている。
IT関係でよい仕事を得たいと思うのであれば、Linux、オープンソースソフトウェア、クラウドに目を向けるべきだろう。将来性のあるキャリアは、これらの分野にある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。