今回の記事で取り上げる諸症状は、現在の職場に長年勤めている人だけでなく、転職したばかりの人にも十分に起こり得る。それらの諸症状に共通するのは、現在の職場に対する違和感である。具体的な正体は見えないのに、心の奥底に確かに存在している、その違和感。
それでも、大半の人々は違和感を抑え込み、現在の職場に留まり続ける。そして数カ月から数年が経ち、ようやく自分の置かれた状況がいかに悲惨なものなのか、認めざるを得ない日がやってくる。頭が白髪だらけになるほどのストレスを溜め込み、怒りを制御できなくなっている自分に気付く。そんな最悪の状態へ陥る前に、今の職場が自分に合っていないと気付けないものだろうか。自分に合わない職場で大切な人生を浪費せずに済ませるための、簡潔な判断基準はないだろうか。
今回の記事では、今の職場が自分に合っていないと判断するために役立つ、10の症状を紹介する。コーヒーでも飲みながら、じっくりと目を通してもらいたい。

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1: 会社のしていることを信頼できない
これは重篤な症状の一つなのだが、実際には自覚されていない場合も多い。会社が見当違いの市場で無益な努力をしていると感じる。自分がサポートを担当している製品が、宣伝している性能を満たしていると思えない。会社の商習慣に倫理的な問題があるような気がしてならない。しかし現実的に、こうした問題が解決される可能性はゼロに等しい。事業方針、製品、サービスなど、会社の核心部分に違和感を覚えている場合、その職場には即刻別れを告げるべきだ。
2: 自分の才能が活かされていないと感じる
自分は人並み外れたスキルを持っている。システムとアーキテクチャの知識において、社内で自分の右に出る者はいない。キーボード入力とコード記述のスピードにおいて、部門内で自分に比肩する者はいない。にもかかわらず、自分のスキルはまったく活かされていない。それはなぜか。優れたスキルを持った人材の活躍を阻む要因は、会社が運用するシステム環境の特性、IT部門長が推し進める戦略とのミスマッチ、ベンダーロックイン、旧式化したシステムなど、数え上げればきりがない。しかし理由はともあれ、優れたスキルや経験がまったく活かされないという状況は、現実に起こり得る。この問題を解決するには、社内でそれなりの影響力を持つ人間への直訴が必要だ。問題を解決せず職場に留まり続ければ、フラストレーションは際限なく高まっていくだろう。
3: 自分が適切に評価されていないと感じる
仕事をする者であれば誰しも、一度は同じ不満を抱いたことがあるはずだ。しかし、この不満が一向に解消されない場合は、根深い問題が隠されている可能性がある。新卒採用されたばかりの従業員であれば、自分の評価に不満を持つのは珍しいことではないが、通常は社会人としての経験を積むにつれ、そうした不満は解消されていく。だが、すでにプロフェッショナルとしての長い経験があり、現在の職場で適切に評価されていないと感じるのであれば、転職先を探す頃合いかもしれない。そうした不満は自分の内面を食い荒らし、自信を喪失させる恐れがあるからだ。IT業界の荒波を泳ぎ渡るには、自信が不可欠である。泳げない者には、溺れて沈む運命が待ち受けている。