#4:製造業界での利用
ブロックチェーン技術はあらゆる規模の、そしてあらゆる業種の製造業で、知的財産を守りながら市場展開を推進していくために活用できるはずだ。3Dプリンタ技術のおかげで、高度にデジタル化され、カスタマイズ可能な、小規模製造への道が開かれた。Tapscott両氏はHBRの記事中で「とはいえ製造業者は現時点で、自社製品を販売するための一極集中型のプラットフォームをいまだに必要としているがゆえに、その製品にかかわる知的財産の保護に苦労してもいる。ブロックチェーン技術の使用によってデータおよび権利の保持者は、ヒトの細胞から強化アルミニウムに至るまでの、あらゆるものに関するメタデータをブロックチェーンに格納できるようになる」と指摘している。
#5:グローバルサプライチェーンの明確化
現在のグローバルサプライチェーンには複数の障害発生点があり、出荷を迅速かつ質の高いものにしなければブランドに傷を付ける可能性もある。Gomes氏は「価値を付加する段階ごとに製品の状況を報告できるような、恒久的かつ監査可能なデジタルベースの記録を利害関係者に向けて積極的に提供できるとしたらどうだろうか?」と述べるとともに、「グローバルサプライチェーンは40兆ドルの価値があると見積もられているが、ビジネスプロセスという観点から見た場合、その状況は無秩序と言ってよいほど非効率的だ。ブロックチェーンは、ダイヤモンドや芸術品、不動産のほか、実質的にどのような資産の追跡にも利用できる」と述べている。
#6:中間媒体に頼らないコラボレーションの拡大
人と企業の間にある種の信頼関係を構築しようとすれば、大規模なソーシャルネットワークプロバイダーといった中間媒体がいまだに必要となる。Tapscott両氏は、ブロックチェーンによって従業員が自らのプロフィールを維持できるようになれば、こういった中間媒体の必要性を無くせるだろうと指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。