Google Project ZeroチームのTavis Ormandy氏が、(SymantecとNortonの両ブランドのアンチウイルス製品に使われる)Symantec Antivirus Engineにバッファオーバーフローの脆弱性があることを明らかにした。問題は、不適切な形式の実行可能ファイル(PEファイル)をパーシングする際に起きるという。
この脆弱性(CVE-2016-2208)について、Symantecはアドバイザリを公開し、「不適切なPEファイルは、メールの受信や、文書やアプリケーションのダウンロード、悪質なウェブサイトの閲覧を介して被害者の手に渡ってしまう恐れがある」「不適切な形式のファイルのパーシングは、ユーザーの操作なしに始まってしまう」と述べている。
LinuxやMacなどのUNIXから派生したプラットフォームでは、SymantecとNortonの両ブランドの製品のプロセスの中で、攻撃者がリモートからヒープオーバーフローを発生させ、root権限を奪う可能性があると、Project ZeroのIssueトラッカーには書かれている。
またWindowsについては「カーネルメモリの破壊を引き起こす。スキャンエンジンがカーネルにロードされるからだ(なんということだ!)」と記されている。
「これはリモートコード実行を誘発する脆弱性だ。SymantecはすべてのシステムI/Oをフィルタドライバを使ってインターセプトするため、標的に電子メールでファイルを送信したり、リンクを送ったりするだけで、悪用可能だ」(Ormandy氏)
Symantecは米国時間5月16日にフィックスを公開し、LiveUpdateを実行する製品にパッチを適用するよう呼びかけた。
Ormandy氏によると、すべてのプラットフォーム向けの「Symantec Endpoint Antivirus」「Norton Antivirus」「Symantec Scan Engine」「Symantec Email Security」が影響を受け、「おそらくSymantecの他のアンチウイルス製品も例外ではない」という。
提供:Tavis Ormandy/Google Project Zero
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。