富士通は5月17日、ユーザー企業のデジタル革新の実現に向けて、既存の基幹システムのクラウド移行や、新規ビジネスの迅速な立ち上げに向けたICT基盤の構築を加速させるため、デジタルビジネスプラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」を強化すると発表した。
MetaArcは、ユーザー企業のデジタル革新を支援するために同社が提供する、SoE(Systems of Engagement:ビジネスプロセス改革や新ビジネス創造などのデジタル革新を実現するシステム)領域とSoR(Systems of Record:企業内のデータを記録し、業務処理を行う従来型の業務システム)領域との連携や、マルチクラウドやハイブリッドクラウド環境を実装する商品やサービス群。
今回、新たにSoR領域向けのサービス3種類の販売、提供を5月17日に開始する。それぞれの概要は以下の通り。
「MetaArcグランドデザインサービス」
富士通の専門チームがユーザーとともに、マルチクラウドやハイブリッドクラウド環境も含めた最適なシステムの全体設計と移行計画の立案、実際の構築までをトータルで実施するサービス。
各業務システムを要求されるサービスレベルやセキュリティ要件などの複数の観点から分類し、レベルごとに標準化を促す「業務仕分けアプローチ」を適用することで、複雑化したシステム基盤を全体最適化できる。
MetaArcグランドデザイン適用例
「TransMigration K5移行サービス」
LinuxやWindowsをベースとした既存システムから、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」への移行を支援する。既存システムの移行に必要な情報(OSやミドルウェア、業務アプリケーション、個別の設定情報など)を自動的に収集し、「K5」に一括して移行させることで、移行時間を従来の約3分の1に短縮できるという。
「FUJITSU Cloud Service U5」
Oracle Solaris環境をIaaSとして提供するクラウドサービス。同サービスにより、ユーザーはOracle Solarisをベースとした既存システムのスムーズなクラウド環境への移行や、富士通のUNIXサーバと連携したハイブリッドクラウド環境の構築が容易に実現できるという。月額費用は税別で13万2900円から。
また同時に、SoE領域に向けた取り組みも強化している。概要は以下の通り。
「デジタル革新オファリング」
ユーザー企業がビジネスアイデアを具現化する上で重要な、最先端のICTを使いこなせるスキルを持つ人材の不足や、PoCを実施するまでの検討に多大な時間がかかるといった課題に対し、富士通が最先端のICTを活用して取り組んできた成功事例を「ものづくり」や「デジタルマーケティング」などの8分野24テーマにモデル化し、ユーザーの要望に合わせて提案するもの。
このモデルを活用し、ニーズを明確化することで、新たなデジタルビジネスの立ち上げに要する時間を短縮できるようにする。
デジタル革新オファリング適用分野とメニューの例
「FUJITSU Digital Transformation Center」
ワークショップ形式によるデザインアプローチを実践する場として、東京・港区に「FUJITSU Digital Transformation Center」を5月17日に開設。富士通が提供する最新のICT活用事例の体験型デモや、デジタル革新をテーマとしたさまざまな分野の専門家によるセッション、ユーザー企業と協力して新ビジネス立ち上げを目指すワークショップを実施する。
FUJITSU Digital Transformation Centerワークショップスタジオ