ITRは5月17日、特権ID管理市場規模の推移と予測について発表した。2015年度の特権ID管理市場は前年度比12.9%増の38億5000万円となった。2016年度も12.5%増と同じ水準の成長を見込んでおり、2019年度には市場規模が50億円に達するとしている。

特権ID管理市場売上金額推移および予測
昨今、相次いだ情報漏えい事件などを受けて、機密データへのアクセス制御、内部統制を強化する動きが活発化している。その中で、特権IDによる操作の利便性と、情報漏えいに対するリスクヘッジとのバランスに苦慮している企業は多いという。
1つの解決策として、特権ID管理ソフトウェアなどの導入や、より業務に沿った製品への移行が進んでいる。2015年度は市場に影響力のある中位以上のほぼ全てのベンダーが数字を伸ばした。
2016年度は、2015年度と同程度の伸びを見込む。内部犯行による情報漏えいを未然に防ぐための手段、あるいはインシデント発生後に疑わしいユーザーや操作を追跡するための証跡取得手段としての需要が高まってきている。
ITRは2015年度と同程度の12.5%増、2015~2020年度の年間平均成長率(CAGR)は6.1%と予測、2019年度に同市場は50億円規模になる見込みとしている。