SAPが「SAP Cloud for Analytics」を「SAP BusinessObjects Cloud」に改称した。新ブランドの下で、アナリティクスと同社のSaaSソリューションが統合される。既存のアナリティクス機能を強化し、刷新する狙いだ。さらに、オンプレミスのアナリティクスのための「SAP BusinessObjects Enterprise」も発表した。
SAPによると今後、同社のあらゆるアナリティクスソリューションが「SAP BusinessObjects」ブランドに組み込まれていくという。
取締役のBernd Leukert氏はフロリダ州オーランドで開催中の「2016 SAP SAPPHIRE NOW」で講演し、この新モデルの狙いを説明した。それによると、アナリティクス機能へのアクセスをさらに簡素化することで、企業が適切な決定を下せるようにすることが目的だという。
SAPは可視化、ストーリーテリング、データラングリングおよびブレンディング、地理空間情報、トレンド分析、カスタムフィルタ、リンクされたストーリー、通知、チャットなど、SAP BusinessObjects Cloudに含まれるさまざまなビジネスインテリジェンス(BI)機能を発表した。
ビジネスユーザー向けの予測アナリティクス機能もSAP BusinessObjects Cloudに追加され、ユーザーは内蔵アルゴリズムを使って、ビジネスシナリオを分析できるようになった。
オンプレミスアナリティクス製品であるSAP BusinessObjects Enterpriseは、プレミアムとプロフェッショナル、およびスタンダードの3種類の新エディションで提供される。
最高経営責任者(CEO)のBill McDermott氏は米国時間5月17日の開幕基調講演で、これからの5年~10年、機械学習と人工知能、拡張現実が市場のトレンドになると語った。
特にヘルスケアはインテリジェントアプリケーションが困難な問題の解決を支援できる分野だとした。
さらに、同社は18日、「SAP Connected Health」プラットフォームも発表した。「SAP HANA」で稼働するこの新プラットフォームには、健康増進とヘルスケアコスト削減を実現するソリューションの提供に取り組むパートナーの開発者と研究者、ヘルスケア機関のエコシステムが含まれる。
同社はSAPのさまざまなビジネスアプリケーションAPIへのアクセスを顧客に提供する「SAP API Central」のベータ版をリリースして、「SAP HANA Cloud Platform」をアップデートした。さらに、「MongoDB」や「Redis」「PostgreSQL」「RabbitMQ」「Node.js」といった「Cloud Foundry」のビルドパックのベータ版もリリースした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。