帯域が限定的な環境、またはネットワークへの影響に大きな懸念がある環境において、大規模なデータ移行プロジェクトを遂行する場合、LAN速度のバックアップと復元を提供するオンサイトのキャッシュ機能を統合したバックアップ機能が有用です。ピーク時にローカルのキャッシュアプライアンスにデータをバックアップし、ピーク以外の時間に中央のストレージにWAN経由で転送することで帯域を最適化できます。
(4)導入スケジュールと予算の調整
移行ツールの導入には時間がかかるため、自動インストールや一括導入機能をサポートする製品を選択してください。このツールでは、スクリプトによるクライアント動作の自動化に対して柔軟性を持つようSCCM(Microsoft System Center Configuration Manager)などのパッチ管理ツールと連携する機能が必要となります。
統合型エンドポイントバックアップ製品には、全ユーザーのPCやデバイス上でクライアントのインストールを自動化する一括導入機能があります。組織がユーザーアクセスと認証をADを使用して管理しており、エンドユーザーがWindowsまたはMacを使用している場合にこの機能を利用することができます。
大規模な同時移行を行う場合、部門や拠点などグループごとに移行する機能とADと連携する一括導入ツールを使用することで移行に関わるすべての手順を自動化できます。既存または新規デバイスへ自動的にユーザーのデータと設定を移行する際、スピードを確保し、エンドユーザーとIT部門の関与を最小限にすることができます。
(5)ユーザーダウンタイムの最小化
デバイスが利用できなくなったときにユーザーが作業できないようにすべきではありません。そのためPCの更改や交換時でもウェブブラウザやモバイルアプリを使用して継続的にデータにアクセスできるサービスが重要となります。
エンドユーザーのシステムとアプリケーション設定(ブラウザのお気に入り、ネットワークドライブの割り当て、プリンタ、Wi-Fi設定、OutlookやOfficeの設定)を保存する機能があれば、ユーザーが使い慣れた環境で即座に仕事に戻れるようになり、ユーザーがデバイスを再設定する時間を大幅に削減できます。
(6)将来にわたる持続的な価値
使い切りの移行ツールとは異なり、フル機能のエンドポイントバックアップサービスではすべてのデバイス上で継続的なデータ保護をしており、移行プロジェクト以降の利用価値とデータ損失保護が提供できます。途切れないPCの更新と将来のデバイス更改により投資対効果が向上します。
統合型電子情報開示の有効化、クラウドアプリケーションデータの収集とアーカイブ、プロアクティブ コンプライアンス、データ損失防止、セキュアファイル共有の各機能が有用であり、将来のデータ保護ニーズを満たす拡張性が得られます。多くの組織は依然としてデータ収集のために限定的な製品に依存しており、ユーザーのPCを物理的に収集してデータをコピーし、法務部門に渡しています。この場合、データが失われたり、ユーザーに手間や作業できない時間を作ったりする可能性があります。