S/4 HANAの価値を確定させるための実装支援「Value Assurance」
製品面では、SAP HANA Platform上のS/4 HANAをデジタルコアとし、企業間ネットワーク、セールスとマーケティング、モノのインターネット、タレントマネジメントの4つのコンポーネントがこれを囲むというのがSAPの全体図だ。
これにより、「顧客とサービス主導の企業経営を実現する」という。4つのコンポーネントのうち、企業間ネットワークはFieldglass、Concur、SAP Ariba、セールスとマーケティングはSAP Hybris、タレントマネジメントはSAP Fieldglass、SuccessFactors、と買収により取得した技術が固める。
S/4 HANAをデジタルコアとするSAPの製品体系
これらを一元的に把握できるのが「Digital Boardroom」だ。2015年のSAPPHIRE NOWでも披露されたもので、今年は4月にSAPのCOOに就任したばかりのChristian Klein氏が説明した。SAPの全システムからのデータを3画面に表示し、リアルタイムデータに基づいた分析や予測ができるという。
McDermott氏も日々使っており「顧客との関係を見ており、パイプラインを業種別、市場セグメント別、地域別に見ている。支出も把握し、次の四半期を予言できる。出張と業務に明確な関係があることも分かった」と基調講演後のプレス向けQAで述べた。
COOのChristian Klein氏が、SAPのデータを表示するDigital Boardroomを紹介した
McDermott氏はこの日、2015年に発表したS/4 HANAの実装を支援する「Value Assurance」を発表した。S/4 HANAは既に3200社の顧客が導入しており、「SAPの歴史上最も速いペースで売れている製品」としながらも、「顧客のマイルストーンやジャーニーにS/4 HANAのロードマップをマッピングして見通しを示し、価値を提供するという点では、改善の余地があった」と認めた。
SAP S/4 HANA Value Assuranceはそういった経緯で生まれたサービスだ。プランニング、技術実装、マイグレーションと機能の実装、最適化とステップに分けて、ベストプラクティス、ターンキーソリューションを使い専門家のアドバイスを受けることができるというものだ。
ここでSAPはAccenure、Capgemini、Deloitte、Ernst&Young(EY)、IBM、PwC、Wiproの7社と組む。McDermott氏は会場に向かって「すべての顧客が実装のロードマップを得て、価値を引き出せる。SAPはこれを実現することを誓う」と述べた。