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日本株展望

ゆうちょ銀行の決算説明会報告--追加の公募売り出しはいつあるか? - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-05-20 12:01

6兆円超の有価証券評価益があるのに、それでも今期減益にするのか?

 金利低下(債券価格の上昇)が続いたため、ゆうちょ銀行が保有する国債などの運用資産には巨額の評価益が存在する。前期末で、評価益は6兆3947億円に達している。債券売却益を出せば、いくらでも利益を作れる状態だ。

 決算説明会では、当然、その点について質問が出た。ゆうちょ銀行の回答は、「長期的に安定的に収益をあげることを目標としている。過去7~8年の損益計算書にその考えは表れている」ということだった。要するに、債券売却益をたくさん出して一時的に利益をかさ上げする考えはないという回答と解釈できる。

 自然体で決算すれば、国債利回りの低下によって今期経常利益が前年比マイナス619億円の4200億円になるというのが、会社側の見通しだ。ただし、市場予想では、ゆうちょ銀行の今期経常利益は前年比マイナス323億円の4496億円となる。会社予想よりも減益幅が296億円少なくなっている。債券売却益などが今期300億円程度出ると、アナリストは見込んでいることになる。

もう1つの重大な関心事:追加の公募売り出しはいつある?

 民営化を進めるため、ゆうちょ銀行については、なるべく早期に国(親会社である日本郵政)の保有株を50%以下まで減らすように、処分を進める方針が決定している。

 追加の売り出しがあれば、一時的に需給悪化から株価が下げる可能性もあるので、株主にとって、いつ売り出しがあるかは重大な関心事だ。ただし、親会社がいつ、どのような方法で保有株を処分するかについて、ゆうちょ銀行としてはノーコメントだ。決算説明会でも、その質問は出なかった。

 総務省の郵政民営化の担当者から、かつて窪田氏が聞いた話は、以下の通りだ。郵政3社については、なるべく早く、国の保有株を「処分」して4兆円の資金を確保して、復興財源に当てることが決まっているが、いつ、どのような方法で処分するかは決まっていないということだ。

 処分には、公募売り出しと、自社株買いに応じた売却の2通りがあるとのことだった。市場環境が良ければ公募売り出しが増え、市場環境が悪ければ自社株買いに応じた売却が中心になると考えられとのことだった。

業務範囲の拡大について、どのような取り組みが進んでいるか?

 ゆうちょ銀行は、国債運用に収益を依存してきた。住宅ローンなどの貸し出しもほとんど行っていない。国債利回りが低下したことにより、業務の多角化が急務となっている。

(1)資金運用力の強化

 外国証券などで超過収益をねらうサテライトポートフォリオを増やしていく方針で、国債で運用するベースポートフォリオは減らしていく方針だ。運用資産全体に占めるサテライトポートフォリオの比率は、2010年3月末には9%(約17兆円)だったが、少しずつ増やし続けてきた結果、2016年3月末では31%(約62兆円)になっている。

(2)住宅ローンに進出して積極的に増やすか?資金運用力の強化

 貸し出し業務を拡大することも検討課題にあがっているが、今から住宅ローンに進出して、積極的に残高を増やしていくことは、現時点では考えていないようだ。日本の住宅ローンは過当競争で、利率が低くなり過ぎており、過当競争にさらに拍車をかけることは得策でないと考えているようだ。

(3)手数料収入の拡大

 金利収入への依存を下げて手数料収入の比率を高めることが、経営の安定化につながるので、積極的に取り組んでいく方針だ。前期は、為替・決算関連手数料592億円、投資信託関連手数料130億円、ATM関連手数料75億円などで、合計911億円の手数料収入を得ている。今後、投信販売の強化、コンビニへのATM設置などで、引き続き手数料収入の拡大をはかっていく方針だ。

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