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日本株展望

ゆうちょ銀行の決算説明会報告--追加の公募売り出しはいつあるか? - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2016-05-20 12:01

資本政策次第で、ゆうちょ銀行の既存株主の投資価値は大きく変わる

 ゆうちょ銀行は、配当性向(純利益のうち配当金に回る割合)について50%以上を目安とする従来方針を継続している。今期の配当について、会社側では、9月中間配当を1株当たり25円、2015年3月の本決算配当を25円で、合計50円を予想している。19日の株価1306円で計算すると、配当利回りは3.8%と高く、低金利時代に、魅力的な好配当利回り株といえるだろう。

 国債利回り低下の影響で、減益が続くことがネガティブだが、それでも自己資本比率26.38%の強固な財務内容と、6兆円を超える有価証券評価益を持っていることを考慮すると、将来的な減配リスクは低いと考えられる。

 ただし、投資判断をする際に難しいのは、政府保有株(ゆうちょ銀行では親会社日本郵政の保有株)の処分方法がわからないことだ。ゆうちょ銀行は、資本政策(親会社保有株の処分方法)次第で、既存株主の価値は大きく変わる。

 2つの極端な例を考えてみよう。

(1)親会社保有株の処分を、すべて公募売り出しで行う。自社株買いはゼロ

 公募売り出しは需給面の悪材料なので、常に、売り出しによる値下がりリスクを心配していなければならない。また、自社株買いゼロならば、純利益の減少につれて一株当たり利益も減少するので、将来的に減配リスクが出る可能性もある。

(2) 親会社保有株の処分を、すべて自社株買いによって吸収する。公募売り出しはゼロ

 公募売り出しによる需給悪化がない。さらに、自社株買いで発行済み株式がどんどん減っていくので、その分、一株当たり利益が増加する。純利益が減少しても、1株あたり利益は減少しない可能性がある。あるいは、1株あたり利益が増加して、増配余地が高まる可能性もある。

 超悲観ケース(1)では、ゆうちょ銀行の株はここからさらに下がることが見込まれる。ただし、超楽観ケース(2)では、ゆうちょ銀行株は、大きく上昇することが見込まれる。実際には(1)と(2)の中間のどこかで、総務省がさじ加減を考えるのだろう。

 このように、ゆうちょ銀行の実態利益には当面、低下圧力がかかるものの、ゆうちょ銀行は自社株買いによって既存株主の投資価値を、大きく増加させることも可能だ。国(親会社日本郵政)は、今後の市場環境を見ながら、保有株の処分を、売り出しによって行うか、自社株買いによって行うかを決める方針としている。資本政策がわからないので、アナリストとして投資判断を出すのがとても難しい銘柄となっている。

日本郵政グループ3社の投資判断について

 日本郵政グループ3社(親会社の日本郵政(6178)、子会社のゆうちょ銀行(7182)および、かんぽ生命保険(7181))は、いずれも資本政策次第で、既存株主の価値が減少することも増加することもありうる。

 ゆうちょ銀行は、前期末で6兆3947億円の有価証券含み益があるが、かんぽ生命保険も9兆5701億円と巨額の含み益がある。日本郵政は両社の親会社なので、連結バランスシートに両社の含み益合算を保有することになる。

 3社とも国債利回りの低下が収益を圧迫することになる。政府持ち分の売却が予定されていることも同じだ。詳しい説明は割愛するが、現時点での株価で判断すると、ゆうちょ銀行の投資価値が相対的に高いと考えられる。

3メガ銀行の投資判断について

 3メガ銀行(三菱UFJ FG(8306)、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411))について、ネガティブなニュースが出ているが、株価はこうした悪材料に過剰反応して売り込まれていると判断できる。詳しい説明は今回は割愛するが、3メガ銀行はいずれも、好配当利回り銘柄として投資価値が高いと判断できる。

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