ソフトウェア開発プロジェクト向けにソースコードや情報を共有できるサービスを提供しているGitHub Japanは5月19日、ここ1年の事業状況を説明した。伝統的な企業によるGitHubの採用が進んでおり、企業に向いたオンプレミス版のGitHubの導入数が増えているという。
GitHub Japanの商材は2つある。「GitHub.com」は、オンラインで提供しているウェブサービス。有償プランと無償プランがある。一方の「GitHub Enterprise」は、企業向けにGitHub.comの機能をオンプレミスで動作するサーバソフトの形態で提供するもので、2012年から有料で提供している。
2015年6月に日本法人を設立してから現在までの約1年間に、オンプレミス版のGitHub Enterpriseを利用する組織数は70%増えたという(図1)。これは、GitHub.comを利用する組織数の伸びである50%を超える。2製品の構成比率は非公開だが、両方合わせて現在1400の組織が日本でGitHubを使っている。

図1:日本法人設立から約1年でオンプレミス版を利用する組織数が70%増えた

GitHub Japan カントリー・マネージャー 藤田純氏
「テック系の企業だけでなく、伝統的な大企業がGitHubを使い始めた」。新しくGitHub Japanのカントリー・マネージャーに就任した藤田純氏は、ここ1年ほどの動向をこう表現。こうした伝統企業は、自分たちの事業分野に参入してくる新興企業に対抗するために新しいツールで武装しているという。
GitHubのビジョンはシンプルだと藤田氏は言う。「ソフトウェアには未来がある。ソフトウェア開発のハードルを下げたいという思いでGitHubができた。開発者が必要としている情報を探し出せるような環境を整えたい」(藤田氏)。日本法人の人員も、スタート時点では1人だったが現在では10人に増えた。「日本のコミュニティーの一員としてしっかり根を張りたい」(藤田氏)
GitHubの規模は現在、レポジトリ数で3500万以上、ユーザー数で1400万人以上となった(図2)。組織数は6万以上で、このうち大学が1000以上。日本の組織は1400以上だ。

図2:GitHubの現在の規模。利用する組織数は6万以上で、日本の組織は1400以上