シナリオ3:大手インターネット企業の広告モデルが崩壊する。業界の崩壊とともに、各社は潜在的に価値のあるデータ資産を、興味を持った相手、具体的には犯罪者に販売することで損失を埋めようとする。CLTCのアナリストらは「犯罪者が利用しようとする2つの重要な資産がある。それは攻撃の主目標となるデータセット自体と、業界の崩壊によって失職し、新たなフロンティアを探しているデータサイエンティストたちだ」と示唆している。
シナリオ4:IoTでも、他の新しいものごとと同様に、頭痛の種が増えていく。特に、犯罪者らはサイバーセキュリティ上の弱点をすぐさま突いてくるだろう。例えば、ハッカーらはデバイスを1つだけ手中に収めるのではなく、IoTネットワークに侵入し、本来の目的とは異なる用途に使うといったことが考えられる。
シナリオ5:ウェアラブル機器は心拍数や歩数を計測するだけにとどまらない。Weber氏とCooper氏は「ホルモンレベルや表情、声の調子といったものをモニタリングする機器を用いることで、インターネットは今や『感情を読み取る』巨大なシステムとなり、人間の心理の最も深淵な側面に踏み込むようになっている。こういったテクノロジによって人の心や感情、身体の状態を追跡し、操作できるようになる」と示唆している。
2020年の世界は、Weber氏とCooper氏が現在示唆しているものとは大きく異なる可能性もある。
留意しておくべき点
CLTCのアナリストらは「これらのシナリオはモデルであり、未来予測ではないため、ここで述べたどのシナリオも、またどのような含意も現実になるとは限らない。ただ、2020年のサイバーセキュリティはこれらすべてのシナリオの要素を含むものになりそうだ」と説明している。
とにかく、4年後もサイバーセキュリティの話題には事欠かないということだけは確かなようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。