デージーネット、OSSの権威DNSサーバ「PowerDNS」を商用サポート

NO BUDGET

2016-08-19 17:53

 デージーネットは8月18日、オープンソースソフトウェア(OSS)の権威DNSサーバ「PowerDNS」の商用サポートを開始した。PowerDNSの使い方、問題の解決方法を支援し、利用に関する相談を受け付けるというもの。税別価格は年額24万円。インシデントサポートは年10回。

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 DNSサーバとして最も広く使われているソフトウェアは「BIND」だが、脆弱性が相次いで発見されており、頻繁にアップデートする必要が生じている。それによって、システム管理者に負担が生じる状態となっているほか、DNSの再起動によるサービスへの影響も少なからず生じている。

 また、BINDでは、DNSの設定を管理コマンドを実行することで行うため、コマンドライン操作に慣れていない人にとっては、比較的難しい操作が必要。さらに、DNSの安全性を高めるために必要なDNSSECという機能は運用が難しく、普及が遅れているといった状況になっている。

 BINDに取って代わる権威DNSサーバとして注目されているのが、PowerDNSである。PowerDNSは、ウェブインタフェースでDNS管理ができるほか、BINDよりも高速だとしている。例えば、デージーネットが実施したベンチマークテストによると、1秒あたりのクエリ数(qps)は、BINDが4万9000qpsに対し、PowerDNSは5万8000qpsで、PowerDNSはBINDの約18%高速という結果が出ているという。さらに、owerDNSは、不正なキャッシュ書き換えの心配がないこと、DNSSECの導入が容易であることなどのメリットを持つとしている。

PowerDNSとBINDのベンチマーク結果
PowerDNSとBINDのベンチマーク結果

 一方、歴史が長く、広く使われているBINDに対して、PowerDNSは新しいソフトウェアであることから情報が不足気味であるといった点が課題とされる。例えば、「PowerDNSサポート」を検索しても、使い方などの情報はほとんど得られないのが現状だ。また、DNSは、ネットワークにおいて非常に重要なサービスであり、サービスが完全に停止してしまうと、インターネットを利用することができなくなってしまう懸念がある。こうした導入と運用面の不安から、BINDからPowerDNSへ移行したくても、なかなか踏み切れないユーザーも多いと考えられる。

 今回の商用サポートでは、こうした不安を払拭するため、PowerDNSの利用に関する相談を受け付け、(1)バイナリパッケージの提供、(2)インストレーションサポート、(3)インシデントサポート、(4)不具合の調査(障害発生時には不具合の特定と回避策の提案を実施。設定で回避できない場合はコミュニティーへ連絡し、修正を働きかける)――といった対応を実施する。

 デージーネットでは、社内のDNSサーバとしてPowerDNSを利用しているほか、PowerDNSの構築やシステム保守サポート、コンサルティングの実績を有しており、そのノウハウを活用してPowerDNSの商用サポートを提供する。

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