SAPが5月17日から3日間、米オーランドで開催した年次カンファレンス「SAPPHIRE NOW 2016」。今年のメッセージは「Run Simple」から「Run Live」に。初日の基調講演でBill McDermott氏は「共感」を強調し、顧客の声に耳を傾けるSAPをアピールした。
背景にはS/4 HANAの導入が予想を上回り、実装やロードマップで支援が必要という認識があるようだ。会場では「Your Path to SAP S/4 HANA」というマイグレガイドも配られた。

2005年から2007年、SAPジャパンで社長兼CEOを務めたRobert Enslin氏が2日目の基調講演の一部を行った。SAPの大型顧客でS/4 HANAの置き換えを行っているNestleのCIO、Terenece Stacey氏が登場、150周年を迎えたNestleのデジタル改革について話した。従業員は33万5000人、SAP ERP利用者は14万3000人。
基調講演後の記者向けQ&Aで、S/4 HANAは初年度(2015年)で1000社と社内で見積もっていたところが2700社と予想を大きく上回ったとEnslin氏は明かした。「実装メソドロジーがなかった。われわれは(顧客の実装スピードに追いつくべく)キャッチアップモード」と需要の高さに驚きを見せた。今年のSAPPHIRE NOWでは、S/4 HANAの導入は3200社と発表されている。