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Azure SQL Databaseはアジャイル開発に最適--マイクロソフトが強調 - (page 2)

阿久津良和

2016-05-27 07:00

 ユーザーは用途に応じてスケールアップすればいい。なお、あくまでもDTUおよびサービス階層は処理ベースであり、仮想マシンなどのリソースベースではない点を北川氏は強調していた。その他にもメトリックをダッシュボードで確認する機能なども本キーワードに含まれるが、ポイントはリアルタイム処理を可能にするインメモリ技術である。

 北川氏は本機能が活躍する場面としてオンラインショッピングを例に、「某社では不正なクレジットカードと住所を悪用するケースが増えている。不正情報をあらかじめ蓄積し、注文処理を完了させる前にマッチングさせることで、安全にビジネスを運用できる」(北川氏)とリアルタイム処理のメリットを語った。

 Microsoftはデータベースの能力の相対尺度を前述した、DTUとエラスティックデータベースプールのeDTUを用いている。「マルチテナント」はプールに設定されたeDTUの範囲で自動的にスケールする仕組みを備え、データベースあたり5eDTUs/2GBのBasic、100eDTUs/2GBのStandard、1000eDTU/500GBのPremiumから選択可能。ユーザーは期待するデータベースサイズやトランザクションの規模に応じて選択すればいい。

 その他にも複数のデータベースを1つのデータベースとしてクエリやトランザクションを実行できるため、単体では難しいくらい大規模なデータベースでも運用できる。

 AzureはWindowsや各Linuxディストリビューションによる仮想環境や開発ツールも自由に選択できるため、「開発に集中」のキーワードを今回取り上げた。当初はJDBC(Java database connectivity)ドライバへの対応が遅かったものの、今では「最新規格に対応するプレビューを公開しているので安心してほしい。また、開発者にはデータベース管理に時間を割くよりも、コードを書く時間に割り立ててほしい」(北川氏)と説明した。

 他方でPaaS型データベースは管理するMicrosoftが覗き見しているのでは、と不安視するユーザーもいるという。この点を払拭するために搭載したのが、クライアント側で暗号化してデータベースやバッファープール、通信経路上で平文を使用しないAlways Encryptedを「データの保護」に含めて紹介した。

 データ所有と管理を分離することでのメリットは確かに存在するが、ウェブサーバやクライアント側では鍵管理による負荷が発生し、暗号化ベースで検索するため部分一致は使えないなどのデメリットも同時に発生する。その他にも、Azure AD認証への対応や、カード番号などのデータを隠す動的データマスク、データベースプール障害発生時の自動対応機能など多くのセキュリティ機能をAzure SQL Serverの魅力として紹介していた。

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