Internet of Things(IoT)の取り組みで、ビッグデータの収集を特に重視することは、組織がデータの貯蔵庫になるという結果を招きかねない、とSASのIoT Domain LeadであるKevin Kalish氏は述べている。
イノベーションの宝が眠っているのは組織がデバイスとクラウドの間にある中間のレイヤから抽出した、フィルタにかけられたデータだとKalish氏は主張する。Kalish氏はこれを「fog」と呼んでいる。
「ストレージはコモディティでビッグデータが問題を解決するというのは誤った認識であり、ボリュームとコストは急速に維持しづらくなっている」とKalish氏は述べる。
将来は、想像しうるあらゆる場所にセンサが存在するだろう。このようなスマートな世界では、個人と組織がイノベーションにアプローチする方法は変化し、顧客と接点を持つ手段や日常的に管理する方法も変わるとKalish氏は述べる。
IoTエバンジェリストを名乗るKalish氏によると、組織がどのようにデータを蓄積し、管理するのかということについて100%明確ではない場合、多くのデータ属性を持つことは必ずしも良いことではないという。
「IoTの文脈でビッグデータについて語るとき、データを安価に保存することが、これまでも現在もある程度中心的に考えられているため、実際のところ、ビッグデータ(big data)はビッグミス(big miss)だと私は思っている」とKalish氏は述べた。「IoTはあなたの企業を崩壊させるものかもしれないし、崩壊しそうな企業との競争を支援するものにもなりうる」(Kalish氏)
Gartnerによると、2016年末までにおよそ64億台の「モノ」がインターネットにつながると予想されている。こうしたモノは、例えばトースターやヤカンから自動車、医療機器まで多岐にわたる。
この数は2015年から30%の増加となり、Gartnerでは2020年には208億台に達すると予想している。2016年は毎日550万ものモノが新たにインターネットにつながり、この結果IoTは2016年、前年比22%増となる2350億ドルのサービス支出を支える見通しであるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。