IDC Japanは8月25日、国内ビジネスアナリティクス(BA)ソフトウェア市場の予測を発表した。2015年の同市場は前年比10.2%増の1921億2100万円となった。
IDCでは、BAソフトウェア市場を分析情報管理基盤、ビジネスインテリジェンス(BI)/分析ツール、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場の3中分類市場と中分類市場に含まれる12の機能別市場に分けて調査している。
2015年の国内BAソフトウェア市場の大きな成長について同社は、継続的な経営へのデータ活用志向の高まり、ビッグデータ活用の拡大といった中期的な成長基調に加えて、リレーショナルデータウェアハウス管理を中心とするパブリッククラウド上のサービスの伸張とセルフサービスBIの急速な受容が重なったものとみている。
現在のBAソフトウェアはビジネス改善のためのレポーティング/予測といった観点での活用が中心になっているが、中期的にはデジタルトランスフォーメーション(DX)によって興される企業の新しいビジネスを支える基盤としてIoTやコグニティブコンピューティングと併用されながら活用の範囲を広げていくとみられる。
今後の国内BAソフトウェア市場について、2015~2020年の年平均成長率(CAGR)6.4%で推移し、2020年には2617億6200万円になると予測している。
2015~2020年の国内BAソフトウェア市場予測(2015年は実績値、2016年以降は予測、IDC Japan提供)
同社ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地慎太郎氏は、「BAソフトウェアをDXの基盤として提供するベンダーやSIerは新たなビジネスモデルを体現するアプリケーションを開発、運用していくための継続的なパートナーとして、単純にIT基盤を提供するだけでなく出資や合弁などを通じてより主体的な関与を持つことが望ましい」と分析している。