Boyd氏によれば、Neo4jにはグラフデータベースを利用している法人顧客を200社以上有しており、それらの企業は、より複雑なデータのリレーションやアソシエーションについて掘り下げるとともに、リアルタイムに処理するアナリティクスを増やそうとしているという。バッチ処理によるアナリティクスのレポーティングに依存している組織でも(ほとんどの組織がこれに当てはまる)、グラフデータベースを利用することで、処理にかかる時間を劇的に短縮できる場合がある。これが、グラフデータベースへの移行が今後のアナリティクスにとって重要である理由だ。
グラフデータベースの用途
「金融サービス企業は、グラフデータベースを社内と社外の両方における詐欺の発見に利用している」とBoyd氏は言う。「小売業界では、このテクノロジを顧客に対する商品のレコメンデーションに利用している。物流業界では、グラフデータベースが荷物の配送経路決定に利用されているし、ネットワーク業界やIT業界では、根本原因解析に使用されつつある」(Boyd氏)
データアナリストにとってグラフデータベースが重要な理由
グラフデータベースは従来のリレーショナルデータベースの代わりに使われる単なるNoSQLデータベースであると主張する人もいるだろう。また純粋主義者は、グラフデータベースはトランザクションデータの処理のためのもので、技術的に言えばビッグデータのツールではないと主張するかもしれない。
しかし、リアルタイムアナリティクスでの利用事例が増えていることや、複雑なデータの関係性を掘り下げて追求する能力を持っていることから、グラフデータベースは、データアナリティクスや、さまざまな情報源のデータから関係性や意味を導き出す能力についての重要性についての企業の認知を高めている。そしてこれこそ、ビッグデータが目指していることに他ならない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。