碓井氏はまた「AI(人工知能)やクラウドの飛躍的な進歩、IoT社会の到来を見据えたサイバーセキュリティ対策、各種規制緩和への提言などにも高い志を持って取り組む」と述べた。
ITA品目拡大に対応
JBMIA前会長 松崎正年氏(コニカミノルタ取締役会議長)
前会長の松崎正年氏(コニカミノルタ取締役会議長)は、2年間の会長任期中の取り組みについて「会員企業がグローバルマーケットで切磋琢磨しながらビジネスを進める一方、事業環境の変化にあわせて、業界が一体となって取り組むべきことは何かということに着目してきた。会員企業がグローバルでビジネスをする上で必要となる国際標準、関税問題、国ごとの特定ルールに対して、日本企業としてひとつになってまとまって行動するために取り組んできた」と振り返った。
「この1年では、ITA品目拡大への対応やデジタル印刷機器に関する国際標準化などが挙げられる。産業団体として社会的責任を果たすための取り組みとして環境問題、サイバーセキュリティに対する活動が挙げられる。世の中の変化、顧客のビジネス環境の変化に順応して、新たな製品やサービスを提供することを意図した活動にも取り組んだ。レーザーを光源とするデータプロジェクタの安全に関するガイドラインを取りまとめ、さらに新たなワークスタイルを会員企業としてどう取り組むべきかを考えてきた」(松崎氏)
標準化規格の普及拡大へ
JBMIAは、2016年度の活動として「協会事業のグローバル展開強化」「ユーザー視点の新事業の開拓推進」「製品ライフサイクルを見据えた環境対応」「協会運営の改善」の4点を掲げている。
東南アジア諸国連合(ASEAN)での基準認証制度の統一に向けたフォローアップ活動、ASEANネットワークの強化、ITA合意に基づいた7月からの関税引き下げ履行に関する情報収集と対応、保護主義が著しい国に対する非関税障壁の除去や軽減に関する活動を進める。
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加えて、国際標準化機構(ISO)の印刷技術の専門委員会(TC130)で審議されている印刷関連国際標準化への働きかけ、レーザー光源プロジェクタの安全性に関する新安全ガイドラインの英文での発行、プロジェクタやディスプレイの共通インターフェース規格「PJLink」の拡張版の開発終了と発行、普及活動の展開、中国での模倣品共同摘発アクションの運営強化などを進めていく。
ワークスタイル変革の政策提言、電子帳簿保存法への規制緩和の追加対応、ネットワーク下で複合機やプリンタ、スキャナなどのオフィス機器を統合化したインターフェースで結ぶ規格「BMLinkS(Business Machine Linkage Service)」のWindows 10への対応やSDK、認証システム、共通システムのサポート活動にも取り組んでいく。
ドイツで環境に負荷を与えない製品に認証されるラベル「The Blue Angel」の複合機基準の次期改訂への対応をはじめとする環境規制対応、トナーカートリッジが対象となる、欧州連合(EU)で電気製品や電子製品が廃棄物になったときに収集、リサイクル、回収などの目標を定めた「WEEE(Waste Electrical and Electronic Equipment)指令」改定の影響分析などにも取り組む方針を示した。