Salesforce.comは米国時間5月25日、パブリッククラウドの推奨インフラベンダーとしてAmazon Web Services(AWS)を選択したと発表した。本記事では、その選択がクラウドのバイヤーや競合企業にとって何を意味しているのかについて、5つの観点から解説する。
AmazonのJeff Bezos氏とSalesforce.comのMarc Benioff氏
SalesforceとAWSは今回、共生関係を作り上げたことになる。この関係はクラウド分野が成熟していくなか目を離せないものとなっている。
Salesforceは、ブログの投稿とプレスリリースで、AWSを推奨インフラプロバイダーにすると発表した。これにより、AWSには追い風が吹くとともに、Salesforceには新たな市場でより迅速に立ち回る能力がもたらされる。またSalesforceの今回の決定はAWSにとって、「Google Cloud Platform」や「Microsoft Azure」、IBMの「SoftLayer」といった他のサービスとの競合が激化するなかで大きな武器ともなる。
本記事ではこの共生関係が意味するところを解説する。
多様化:Oracleであれば、同社のデータベース上でSalesforceが稼働していると言うだろう。それは事実だが、Salesforceの多くのサービスは今やAWS上で稼働している。例を挙げると「Heroku」や「SalesforceIQ」「Salesforce IoT Cloud」だ。AWSとの関係は今日のインフラについて、そして潜在的には明日のデータベースについての話なのだ。Salesforceが最終的に、オープンソースのデータベースやAWSのデータベースサービスに移行し、Oracleのデータベースと決別したとしても驚くに値しない。
AWS関連のソリューションを提供する2nd Watchの調査によると、人気のあるAWS製品ランキングの8位に「Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)」が、15位に「Amazon SimpleDB」が、続く16位には「Amazon DynamoDB」がつけている。これで分かるはずだ。AWSは新たなデータベースワークロードを着実に増やしつつあるのだ。