デルは5月24日、米国ラスベガスで開催されたCitrix Synergy 2016において、新たな仮想ワークスペース製品と既存製品の最新版を発表した。今回発表されたのは、新たなシンクライアント2機種「Wyse 7040」と「Wyse 3030 LT」、シンクライアントOSの最新版「ThinOS8.3」、管理ソフトの最新版「Wyse Device Manager 5.7」で、いずれも米国と特定の国で7月から提供開始する。
Wyse 7040シンクライアント
クアッドコアの第6世代インテルi5またはi7プロセッサ、インテルvPROのエンタープライズクラスの管理機能、Wyse Device Manager、System Center Configuration Manager、Command Configureのサポートが組み込まれ、高いパフォーマンスと管理性を実現。
UHD「4K」ディスプレイ(3840×2160)とデイジーチェーン経由での3つの2560×1600ディスプレイをサポート。6つのUSB 3.0ポートを搭載しつつ、キーボードとマウスの使用のみをサポートしてストレージや通信デバイスの使用を禁止する機能も装備。
さらに、異なるセキュリティレベルであっても、1つのデバイスで複数の仮想デスクトップを実行できる業界最高の連邦政府選好クライアント仮想化環境「SecureView」に対応。
Wyse 3030 LTシンクライアント
シングルサインオン(SSO)と仮想私設網(VPN)のサポートが含まれ、Wyse ThinOS、またはWyse ThinLinuxをベースに構築。
OTA(Over-The-Air)構成でポリシー管理を備えるWyse Device Managerを介して、柔軟性の高い構成と管理で、簡易かつ短時間で設定が可能。さらに、ユーザーのセルフサービスプロビジョニング、ユーザーデバイスの監視、アセットインベントリの追跡、または、数千に及ぶデバイスへのポリシー適用が可能。
Intel Bay Trailのデュアルコア1.6GHzプロセッサと統合グラフィックエンジンを搭載、最大1920×1200、60Hzの2つの高解像度ディスプレイをサポート。また、有線ネットワークまたは802.11 a/b/g/n/acデュアルバンドWi-Fi、ディスプレイポート、4つのUSBポート(高速周辺機器用の3.0ポートを含む)など、複数の接続オプションを用意。
エネルギー消費量は12ワット未満で、Energy Starの認定済み。エネルギー消費コストと二酸化炭素排出量の削減を実現する。
Wyse ThinOS 8.3とWyse ThinLinux
Wyse ThinOSには、2016年初めにCitrix HDX RealTime Optimization Packが統合され、Lync 2010とLync 2013に加えてSkype for Businessのサポートも追加、統合コミュニケーション機能を強化。Wyse ThinOS 8.3では、Citrix、VMware、Teradici、RDP、Windows 10仮想マシンの最新のプロトコル機能セットをサポート。また、PCoIP経由でAmazon Web Servicesの接続をサポートし、「Wyse Device Manager 5.7」など最新のWyse管理オプションとの互換性も有する。
一方のWyse ThinLinuxは、デルがシンクライアント環境向けに強化し、最適化したSUSE LinuxベースOS。多様なモニタ、4Kディスプレイ、プリンタ、スマートカード、指紋リーダーといった幅広い周辺機器をサポートし、柔軟性の高いシンクライアント動作環境を提供。また、Citrix Receiver 13.1、VMware Horizon、Amazon WorkSpacesなど広範にわたるブローカー、およびSkype for Business、Lync 2013、Lync 2010などの統合コミュニケーション プラットフォームに対応、シングルサインオンとVPNもサポートする。最新のWyse ThinLinuxでは、追加OSオプションが提供される。
Wyse Device Manager 5.7
新たにユーザーエクスペリエンスの簡素化、ワークフロー改善、検索機能の強化を含む新しい直感的操作が可能なウェブベースのUIを実装、Internet Explorer 11、Chrome v40、Firefox v30といったサポート対象ブラウザを使用して、新しいUIでのアクションの実行や変更の保存が可能。
完全に暗号化されたHTTPSベースの転送を使用して、エンドポイントのセキュアな管理が可能。また、トラブルシューティングを迅速に実施できるように、重要なアラートとイベントの通知機能を強化。加えて、Wyse Configuration Manager(WCM)を介して、Windows Embeddedシンクライアントなど最新のシンクライアントとゼロクライアントソリューション統合が可能。
また、オンプレミスでの使用のほか、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのパブリッククラウドでの使用も可能。