インテル新CPU「Broadwell-E」の「Turbo Boost Max Technology 3.0」、Linuxは未対応

Chris Duckett (ZDNet.com.au) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-06-06 14:44

 Intelの「Broadwell-E」アーキテクチャを採用した最新の「Core i7」プロセッサの性能を最大限に引き出すには、「Windows」を稼働させている必要がある。

 Intelは、台湾の台北で現地時間5月31日〜6月4日にかけて開催された世界最大級の最新ITトレードショー「COMPUTEX 2016」で、コンシューマー向けCPUとして業界初となる10コアを搭載したプロセッサを含む「Broadwell-E」アーキテクチャ採用プロセッサ群を披露した。これらのプロセッサ群は、「Turbo Boost Technology 2.0」モードを改良した「Turbo Boost Max Technology 3.0」の採用も大きな売りにしている。

 ただ現在のところ、この新モードが利用できるのはWindowsだけとなっている。

 Intelは米ZDNetに対し、現時点ではLinuxのカーネルドライバでTurbo Boost Max Technology 3.0の恩恵を受けられるものは存在しないと認めたが、状況を注視しているとも語っている。

 同社は以前に、Turbo Boost Max Technology 3.0ではTurbo Boost Technology 2.0に比べると処理速度が15%向上すると述べていた。

 IntelのEnthusiast Desktop Group担当ゼネラルマネージャーを務めるFrank Soqui氏は以前、「これはTurbo Boost Technology 2.0をも超える駆動周波数の向上を実現している。しかも性能保証を一切犠牲にせずにだ」と述べていた。

 「これはオーバークロックではない。個々のCPUを特徴付けることで、最も高い周波数で駆動できるコアを10個のうちから特定できるため、Turbo Boost Technology 2.0で得られるよりも持続的に高い周波数を実現できる」(Soqui氏)

 これらの新プロセッサ群は「Broadwell」をベースにしているものの、現在のメインストリームである「Skylake」アーキテクチャ採用プロセッサよりもピーク時の周波数は低く抑えられている。コアを10個搭載した最上位プロセッサも、温度を制御するために駆動周波数を犠牲にしている。

 Soqui氏によると、「コア数の増加にともない、各SKUの駆動周波数を低く抑えることにした。そのようにした理由は、コア数を増やせば消費電力が増え、パッケージ内の熱密度も高まるためだ。このため、パッケージとサーマルエンベロープという制約のなかで何らかの妥協をする必要があった」という。

 Broadwell-Eアーキテクチャを採用した製品は今回4種類が発売された。10コアの「Core i7-6950X Processor Extreme Edition」は1723ドル、8コアの「Core i7-6900K Processor」は1089ドル、6コアの「Core i7-6850K Processor」は617ドル、より低速の「Core i7-6800K Processor」は434ドルとなっている。

 なお、Chris Duckett記者はIntelに招待され、COMPUTEX 2016に参加した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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