メール添付で送り合うファイル
筆者は、この記事をWordで書いている。書き終えたら、編集者の人にメッセージに添付して送っている。読者の皆さんも、外部の方とのやり取りに、WordやExcel、PowerPointを使っている人は多いのではないだろうか。こういうやり取りもクラウド化できるといいとは思うのだが、そうは出来ていないのが実態だ。
イシンでは、社内のコミュニケーションはすべて「ChatWork」を使っているのだが、社外とはどうしてもメールを使わざるを得ないことが多い。そこに添付ファイルとなると、Excelなどのオフィスアプリケーションが必要になってしまう。オンラインで使えるGoogleDocsは便利なのだが、取引先にファイルとして送る場合には拡張子やファイルフォーマットの問題があり、一般ユーザーには難しい。これを解決するには、何でもかんでもEメールに添付して送るという習慣そのものを変える必要があるのではないだろうか。
ハードディスクが足りない?
ふと同僚のPCのデスクトップを見たら無限のファイルが並んでいたという経験はないだろうか。あるいは、いつの間にか自身のデスクトップがファイルだらけになっていたとか。われわれは、PCで資料作成や何らかのデータ加工をすると、ついついPC上、つまりローカルにファイルを保存してしまうところがある。共有フォルダやファイルサーバに置くのは完成品で、途中段階ではついローカルに保存したくなる。また、ファイルサーバに上げたファイルでも、なんとなく「念のため」でローカルに置いていることは少なく無いだろう。その結果、ローカルの容量を圧迫してしまう。
筆者は、1998年にソーテックのデスクトップPCを購入したが、当時のハードディスク容量は4.3Gバイトだった。それでも1年くらいはその容量で事足りていた。あれから18年経った現在、ハードディスク容量は500Gバイトあっても足りないという人が多い。ノートPCでも1Tバイトといった大容量モデルが普及しつつある中で、Chromebookの16Gバイトでは、物足りないと感じる人がいても当然だ。すべてをクラウド化させている筆者でも、これを本格的に業務活用するのは、いささか不安が残るのが正直なところ。そして、もうひとつ、一番大きな問題が残っているのだ。
オンラインストレージ活用の悩ましさ
先に書いたように、この記事はWordで書いている。そして、書きかけの原稿はオンラインストレージであるDropbox Businessに置いている。普段はMacで書いているから、Dropboxを同期させ、Mac上のファイルを更新すると同時にオンライン上のファイルも更新される。
しかし、これをChromebookでやろうとすると、オンライン上のファイルをChromebookに落としてきて、Google Docsで編集することになる。当然、レイアウトが崩れることが予想され、フォントも変わってしまうことがある。Excelの場合だと、関数が壊れることもあるし、ピボットテーブルが反映されないことも多い。そう考えると、Chromebookはとてもよく出来た端末ではあるが、個人利用の域を出ないというのが実情だ。
筆者が、六本木ヒルズのGoogleのオフィスでChromebookを見せてもらったのは2011年12月だ。あのときは本当に驚いたし、これが普及することになれば、日本のSIerは軒並み倒産してしまうとさえ感じた。しかし現状は、初見で感じた課題が相変わらず残っている印象だ。もしかしたら、Googleも業務用途は視野には入れていないのかもしれない。