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日本株展望

ハゲタカは去り、誰も注目しなくなった含み資産株

ZDNet Japan Staff

2016-06-08 11:06

 6月7日の日経平均は、95円高の1万6675円だった。為替が1ドル107円台の後半と円安方向に動いたことが好感された。米早期利上げ期待は低下したものの、米景気の基調は弱くなく、年内に利上げが必要になるとの見方がドル円を支えた。

 6月8日の日本時間午前6時現在、為替は1ドル107.38円、CME日経平均先物(6月限)は1万6710円だった。最近話題になることが少なくなった含み資産株について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏が解説する。

保有する不動産に巨額の含み益

 日本には、保有する賃貸不動産に巨額の含み益が存在する企業が多数ある。そうした含み資産株には、含み益を考慮した“実質PBR(株価自己資本倍率)”が1倍を大きく割れている企業が多数ある。

PBRを理解するためのイメージ図

PBRを理解するためのイメージ図1
PBRを理解するためのイメージ図2

 2005年ごろ、割安な含み資産株をハゲタカファンド(買収ファンド)が買い占めて大暴れしたことがある。巨額の含み益を有するにもかかわらず利益水準が低く、PBRが実質1倍を大きく割れ、株価が安くなっている企業がターゲットとなった。一定量の株を買い集めた上で企業に「含み益のある資産を売却して配当金を大幅に増やすこと」などを強く要求した。

 ただし、短期的な利益を狙って株主権を濫用するハゲタカファンドには社会的批判が集まった。敵対的買収への嫌悪感が広がり、2006~2007年には上場企業に買収防衛策の導入ブームが起こった。そこで、ハゲタカファンドは去り、敵対的買収ブームは鎮静化した。

 今、株主権を盾に企業に株主還元を強要するハゲタカファンドは少なくなった。企業と対話しながら、企業価値を高めていくことを目指すファンドが増えている。ハゲタカファンドが去ったことを受けて、買収防衛策を解除する企業が増えた。

 こうして企業と株主の対話は改善された。一方、含み資産を持つだけの割安株には、長期投資家も短期投資家も見向きもしなくなった。巨額の含み資産を保有しながら株価が割安な銘柄は割安なまま放置されるようになった。

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