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日本株展望

日銀が追加緩和に動けない3つの理由

ZDNet Japan Staff

2016-06-09 10:58

 6月8日の日経平均は、155円高の1万6830円だった。米国の早期利上げ期待が低下し、円高再燃のリスクが懸念されるが、「不安材料はあっても米景気は回復に向かい、いずれ利上げが必要になる」というイエレンFRB議長に象徴されるように、過度な悲観論は薄れつつある。ただし、ただちに上値を追っていくには、材料不足だ。しばらく、1万6500~1万7000円中心のボックス相場が続きそうだ。

 9日の日本時間午前6時現在、為替は1ドル106.98円、CME日経平均先物(6月限)は1万6815円だった。

 6月15~16日の金融政策決定会合で日銀が追加緩和策を発表するか否かについて、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

日銀は打つ手がなくなってきている

 結論から言えば、窪田氏は「追加緩和なし」と予想している。これまでの緩和策に、経済を浮揚する効果がほとんどなかったことに加え、逆にさまざまな弊害があることが指摘されるようになったからだ。市場予想も「追加緩和なし」で窪田氏の予想と同じだ。日銀が追加緩和をできないと考える理由は、以下の3点だ。

  1. 金融緩和に設備投資や消費を浮揚する効果はなく、事実上、円安誘導だけが追加緩和の目的となっている
  2. マイナス金利に弊害が大きいことがわかってきた
  3. 日銀の異次元緩和(国債等の80兆円買い取り)も弊害が大きいことがわかってきた

「円安誘導」だけが目的になってしまっている

 これまでに実施した異次元緩和やマイナス金利に、日本の設備投資や消費を活性化する力はほとんどなかった。それでも、日銀のこれまでの緩和策が評価されるのは、緩和によって円安を誘導できたかだ。円安によってインバウンド需要が拡大するなど、円安は内需企業にも外需企業にも幅広くメリットをもたらした。

 ただし、それも米国が円安(ドル高)を容認していたから可能だったといえる。現在、大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補も民主党のヒラリー・クリントン候補も、どちらも日本の円安誘導政策を批判するようになっている。

 ルー米財務長官も繰り返し、日本の為替操作をけん制する発言をしている。米国が円安を許容しなくなったため、為替は大きく円高に反転した。日銀がマイナス金利を導入しても、円高を食い止めることはできなかった。

マイナス金利に弊害が大きいことがわかってきた

 マイナス金利で損をするのは「個人」で、得をするのは「日本国」だ。その簡単な結論がやっと理解されるようになってきた。マイナス金利は、借金をしている人に追い風で、資産を運用している人に逆風だ。

 「日本国」は1000兆円を超える負債を抱えているので、マイナス金利で利払い負担が減り、大きなメリットを受ける。10年国債までマイナス利回りの状態が何十年も続くとすると、利払い負担の減少額はどんどん大きくなる。消費税を引き上げなくても、利払い低下で十分おつりが出るようになる可能性もある。

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