デジタル化支援コンサル、5年で急拡大--事業モデルの再考が必要:IDC予測

NO BUDGET

2016-06-09 14:54

 IDC Japanは6月8日、国内コンサルティングサービス市場予測を発表した。2015年の市場規模は前年比6.3%増の6463億円になったとみられるという。

 国内コンサルティングサービス市場は「ビジネスコンサルティング」と「ITコンサルティング」から構成。このうち、戦略、業務改善、財務・経理、組織・人事変革、リスク管理などの分野で提供されるビジネスコンサルティング市場の2015年の支出額は、前年比8.6%増の3389億円と高成長を遂げた。ITの戦略と業務コンサルティングの2分野で提供されるITコンサルティング市場の支出額も前年比3.9%増の3074億円と堅調に拡大した。

国内コンサルティングサービス市場支出額予測(2015~2020年、2015年は実績、2016~2020年は予測)※ITコンサルティングでは、第3のプラットフォームの導入と運用を「主要な目的」とする案件を「デジタル関連」とした(IDC Japan提供)
国内コンサルティングサービス市場支出額予測(2015~2020年、2015年は実績、2016~2020年は予測)※ITコンサルティングでは、第3のプラットフォームの導入と運用を「主要な目的」とする案件を「デジタル関連」とした(IDC Japan提供)

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 IDCは、クラウド、ビッグデータ(アナリティクス)、モビリティ、ソーシャル技術の4分野で構成される“第3のプラットフォーム”でIoTやコグニティブといった“イノベーションアクセラレーター”で企業や産業の「デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル化)」が起こると提唱している。

 調査では、DXが国内コンサルティングサービス市場に与える影響を把握するため、第3のプラットフォームの導入や活用に関わるコンサルティングプロジェクトを“デジタル関連コンサルティング”と定義し、市場を予測した。

 具体的には、デジタル戦略策定、デジタルマーケティング、顧客体験のデザインやサービスイノベーション、デジタル技術を活用した新製品や事業の創出、業務プロセス変革、アナリティクスサービス、アプリケーション設計、セキュリティといった多様なオファリングが事業者から提供されている。

 調査の結果、ビジネスとITの両コンサルティング市場で、企業のデジタル化を支援する案件が成長の主要因の1つとなっており、事業者各社の成長戦略の中核となっていることなどから、デジタル関連コンサルティングの2015~2020年の年平均成長率(CAGR)は25.6%、市場支出額は2015年の852億円から2020年には2663億円になると予測した。

 国内コンサルティングサービス市場は、このデジタル化支援や国内企業のグローバル化支援といった活発な需要を背景に成長を続け、2015~2020年のCAGRは3.8%で、2020年には7773億円に達すると予測している。

 同社ITサービス シニアマーケットアナリストの植村卓弥氏は、以下のようにコメントしている。

 「デジタル化支援コンサルティングでは、案件の進め方、求められるコンサルタントのスキルセット、顧客との関係性といったさまざまな点が従来型コンサルティングから大きく変化する。事業者はこの変化を理解し、デリバリーモデルあるいは収益モデルを再考する必要がある」

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