多くの人にとって、休暇の後には恐怖が待ち構えているというのが悲しい真実だ。オフィスに戻って数分のうちに、ありとあらゆる事について遅れを取り戻すという気の滅入るような作業によって、休暇後のリラックスした気持ちは打ち砕かれることになる。
どのような活動についても言えることだが、効果的な休暇を取ることにも然るべき方法がある。リフレッシュして元気な状態でオフィスに復帰するだけでなく、仕事に戻ってからその状態を1~2時間以上は維持できるようにする方法だ。ここからは、よい休暇を取るためのアドバイスをお伝えしたい。
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まず、しっかり休もう!
企業やその中の部署には、自らを犠牲にすることがちょっとした美徳のようになっている所もある。そこでは、名目上「休暇中」なのに数々の電話会議に計10時間も出席することが、名誉の勲章となっている。これは誤った考えだ。時折仕事を休むことは精神的な休息や大切な人たちとの時間のために必要なだけでなく、長期的に見れば優れた人材を生み出すことにもなる。筆者は夕日を眺めている間や息子とバックパック旅行に出ている間に、特に素晴らしいアイデアのいくつかを思い付いた。それに、すっきりした頭でオフィスに復帰した時には、問題に対して新たな集中力と新たな視点をもって取り組める態勢ができている。
休暇を取るべき時に余計な電話会議に出席したり、大したことのない電子メールに即座に返信したりしても、人々の記憶に残ることはないだろう。しかし、疲労のあまり重要な情報や期限を逃してしまったり、また良い例としては、しばらく仕事から離れたことによって得られた新たなエネルギーと新たな視点で難問を解決したりすれば、強い印象を与えることになる。
また、数日間でさえ職場を離れるわけにはいかない存在になっているとしたら、あなたは結局、リーダーとしてもマネージャーとしても失格だ。あなたのグループの日常業務を代理で管理できる人がおらず、またあなたの指示なしで適切に判断できる人がいないならば、あなたが昇進した際に後任となる人材や、複数の問題が同時に起こってあなたが機能しきれなかったり手一杯になったりした場合に立ち回ってくれる人材を、育成できていないことになる。少なくとも、休暇を取ることはチームの気質を試すことになる。あなたに絶えず催促されてやるのではなく体系的かつ自主的にグループが機能するような、リーダーたちや効果的な管理手法、そしてプロセスを醸成してきたことを実証するための、極めてリスクの低い手段なのだ。
休暇の始まりと終わりを印象付けよう
休暇の最初と最後に少しの時間を使って象徴的なイベントを作ろう。休暇の正式な始まりと終わりを印象付け、仕事からリラクゼーションへ、そしてまた仕事へと戻るための意識的な「区切り」を設けるためだ。どうしても必要な場合を除いて、オフィスから車や飛行機へと直行することや出社の数時間前に帰宅することを避けられるなら、少しの時間を使って旅行の始まりと終わりを反芻するといい。心の準備ができないうちに暖かい日差しからオフィスの冷たい照明へと切り替わるよりは、はるかに衝撃が少なくて済む。