Whitman氏はこの日、6社の顧客企業を招き自社製品を利用してどのようなデジタルトランスフォーメーションが可能かを示してみせた。
例えば航空機のBoeing。今年で創業100周年を迎えるが、データの活用により設計、製造を変えているという。HPEとは40年の関係というが、最新の事例として高密度サーバ「HPE Apollo 6000」同8000を利用してHPC環境を構築した。
ステージに上がった最高情報責任者(CIO)、Ted Colbert氏は、「競合は変わっており、既存のライバルもあれば、新規参入もある。ビジネスのやり方を変える必要がある」と背景を説明する。たとえばBoeing 787など同社の飛行機1台が飛ぶだけで、着陸までに0.5Tバイトのデータが生成されるという。
左から、Boeingの最高情報責任者(CIO)Ted Colbert氏とMeg Whitman氏
Boeingでは2010年から2020年の間にデータは140倍増加すると予想しており、「これらのデータを利用して顧客体験と安全性を改善する。これは大きなチャンスだ」とした。HPC環境はプライベードクラウドとして運用しており、この”HPCアズ・ア・サービス”を利用して高度な分析を行い、スケジュール通りの納品が可能になっていると明かした。
New York Genome Centerで情報学担当副科学ディレクターを務めるToby Bloom氏
データではニューヨークにある12の医療施設が設立した、遺伝子情報に特化した医療研究施設New York Genome CenterもHPEの顧客だ。分析プラットフォーム「HPE Vertica」を利用して、1日最大12TB生成されるというゲノムデータの解析を行っている。
同センターで情報学担当副科学ディレクターを務めるToby Bloom氏は、Verticaを選んだ理由について「スピード、そして高速なスケール、信頼性」を挙げた。「データは2倍、4倍で増えている。この拡大を維持しつつ、安定して高速に結果を返すプラットフォームが欲しかった」という。ビックデータ分析を考えている企業へのアドバイスとして、「ある地点に達すると速度が劣化するなどのことがないシステムが必須」と述べた。