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日本株展望

なぜそこまでして英国はEUから脱退したがるのか - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-06-15 11:42

 英国のキャメロン首相は、EU改革の一環として、移民への社会福祉を制限すること、EU内から英国への移民流入を制限するルールを作ることをEUに提案した。社会福祉の制限は承認されたが、移民制限のルール作りは承認されなかった。このままではEUからの流入する移民に歯止めがかからなくなるとの危機感から、離脱派は離脱支持を訴えている。

 欧州では、内戦が続くシリアから大量の難民が流入していることも問題になっている。英国は、シリアなどEU外から直接英国に難民が入っていることは規制できるが、いったんEUに入国を認められた難民が将来、EU経由で英国に流入する可能性は排除できないとの懸念もある。

 12日に米国で起きた銃乱射事件も投票に影響する可能性がある。史上最悪となる50人の死者が出た銃乱射事件の犯人は米国生まれのイスラム教徒だが、両親がアフガニスタンからの移民であったからだ。

 米大統領選では、イスラム教徒の入国禁止を主張する共和党のドナルド・トランプ氏が改めて入国制限の必要性を説いた。英国では、移民制限を訴える離脱派を勢いづかせる結果となっている。

心情的にEUに反感を持つ理由

 英国には、大陸欧州に先んじて市民革命や産業革命を遂行してきた歴史がある。誇り高き英国人の言葉の節々にEUを実質的に支配するドイツへの反感が見え隠れしている。

 離脱支持派の演説には「EUに支配されない真の独立を勝ち取ることが重要」「EU残留を可決することは、EU官僚に対し無条件降伏を表明するのと同じ」「EUが国家を超えた国家として英国に君臨するのを許すな」など、大衆の感情を煽る表現がふんだんに散りばめられている。

 EUを離脱すると、短期的に英国に深刻なダメージが及ぶことは、離脱派もわかっているだろう。それでもなお英国では、EUを離脱した方が長期的には経済的にもメリットがあるとの意見が増えている。

 EUの過重債務国を無制限に支えなければならなくなる不安と移民流入増加への不安が、離脱を望む英国人を増加させている。それにドイツに対する反感が加わって、離脱が可決されかねない状況が起こっている。

 ただ、過去の英国選挙では、事前の世論調査と異なる結果が出たことも多々ある。6月23日の投票結果が出るまで、思惑で世界の株式の乱高下が続く可能性がある。

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