事業会社で取り組むデータ分析の実際

データサイエンティストのブームと定着--それでもデータ活用企業が増えない理由 - (page 2)

伊藤徹郎

2016-06-22 07:00

 なぜ今になってボリュームが上昇傾向になっているかは諸説ありそうですが、筆者は2点の仮説を考えます。

 まず1点目。それは「ディープラーニング」や「人工知能(AI)」の流行です。Google DeepMindのAIである「“AlphaGo”」が囲碁のトップ棋士に勝ったというニュースは記憶に新しいと思いますが、彼らのチャレンジによって世間の期待が増していることが検索ボリュームからうかがい知ることができます。

人工知能の検索ボリューム

(出典:Googleトレンド)
(出典:Googleトレンド)

 人工知能は2004~2005年頃にもブームがあった様子がわかります。技術的なブレイクスルーが起こると定期的に盛り上がりを見せる言葉でもあるのでしょう。

ディープラーニングの検索ボリューム

(出典:Googleトレンド)
(出典:Googleトレンド)

 ディープラーニングはGoogleのYouTubeの猫画像の判別をきちんと行ったという衝撃的な発表がされてから数年が経過しますが、その間さまざまなジャンルの学会でディープラーニングを用いた研究や論文が公開され続け、ついにはAlphaGoが世界的な棋士に勝利したため、爆発的な人気ワードになっています。

 特に強さを発揮しているのは画像解析や音声解析などの特徴量を決定しづらい分野です。最近では、音声や画像、言語などの複数(マルチ)の情報源を用いてシステムとコミュニケーションを行う手法である「マルチモーダル」と呼ばれる研究が進み、さまざまな領域を混ぜた研究も盛んに行われています。

 これらの新たなブームに相関してそれを操る職種としたデータサイエンティストの注目も上がっている点です。

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