勤怠管理クラウドサービスなどを提供するチームスピリットは、サブスクリプションビジネスの拡大に伴って既存の請求システムでは対応が困難となっている課題を解消するため、サブスクリプションビジネスの新たなプラットフォームとして米Zuoraの「リレーションシップ・ビジネス・マネージメント(RBM)」を採用した。これにより、契約から請求、回収、売上計上までの一連のプロセスや営業プロセスの効率化、そして顧客とのリレーション強化を図っていくとしている。Zuora Japanが6月16日、発表した。

RBMのサブスクリプション・ビジネスプラットフォーム概略図
チームスピリットは、クラウドで勤怠管理や経費精算、工数管理、電子稟議を一体化し、既存のERP環境にアドオンするだけでセルフサービスによる事務効率化ができるサービス「TeamSpirit」をサブスクリプション(継続課金)モデルで提供している。TeamSpiritは2012年に提供が開始され、2016年6月16日現在では600社7万5000ユーザー以上が利用しているという。
同社では自社開発の請求システムを用いてきたが、TeamSpiritの顧客数が急増し、またユーザー規模も多様化していく中で、では複雑化する契約管理や請求に対応できず、Excelでの処理や手作業が増えるなどの問題が生じていた。また、これまではシンプルな料金体系でサービスを提供していたが、顧客とのリレーション強化のために様々な顧客のニーズに合った柔軟なプランをタイムリーに提案する必要があった。
ZuoraのRBMは、こうした課題を解決すべく採用された。RBMは企業や組織のサブスクリプション・ビジネスの収益向上の支援を行うためのSaaSプラットフォームで、従来のERPやCRM、販売管理等のシステムでは対応できない、サブスクリプション・ビジネスのための業務(プライシング、見積、Web販売、契約管理、請求・回収、売上計上、レポート・分析)を支援するというもの。
この新たなプラットフォームを採用したことにより、チームスピリットではマニュアル作業で行っていたサブスクリプションモデルに必要な契約から請求、回収、売上計上までの一連のプロセスを徐々に自動化し、作業を約4割効率化することを見込んでいる。また、RBMとSalesforceを連携することで営業プロセスも効率化され、これまで各契約から紐解いていた利用状況を顧客単位で容易に把握できるようになるため、顧客ニーズを明確に把握してリレーション強化のための施策をタイムリーに提供できるとしている。
チームスピリット取締役副社長の増山秀信氏は、次のようにコメントしている。
「われわれが持っている悩みは、クラウドサービスを提供するベンダーが共通して持っている課題です。グローバルにサブスクリプション・ビジネスを行う800社への導入実績を持つZuoraの蓄積したノウハウを活かして、自社の収益化に繋げていきたいと考えています」