7万台以上の情報が取引--不正侵入したサーバを売買する「xDedic」の実態

NO BUDGET 2016年06月17日 16時10分

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 Kaspersky Labは6月15日、不正侵入で入手したサーバのアクセス情報を売買するフォーラム「xDedic」の実態調査結果を公表した。5月時点で、416の売り手による7万624台のリモートデスクトッププロトコル(RDP)サーバの情報がリストされていることが分かったという。

 リストされているサーバの所在国は173にわたり、そのトップ10はブラジル、中国、ロシア、インド、スペイン、イタリア、フランス、オーストラリア、南アフリカ、マレーシアで、日本は33番目。

 xDedicはロシア語を話すグループによって運営されているものとみられ、2014年から活動を開始し、2015年中盤から急速にサイバー犯罪者の間で広まった。その運営方法も調査で明らかになっており、単純でありながらも隙のないものだという。

 xDedicは会員制のフォーラムで、パートナーと呼ばれる“売り手”が、総当り攻撃(ブルートフォースアタック)などで窃取したサーバの認証情報をxDedic上に登録。xDedicは“買い手”が購入時に検討する可能性がある情報を自動で調べるためのツールを提供しており、“売り手”はそのツールを使ってサーバのRDPの構成やメモリサイズ、インストールされているソフトウェア、ウェブサイトの閲覧履歴などの詳細な情報をxDedicへ送信することで販売リストに登録される。

 フォーラムの会員は、最低価格1台あたり6ドルで、そのサーバのあらゆるデータにアクセスでき、標的型攻撃、マルウェア感染、分散型サービス妨害(DDoS)、フィッシング、ソーシャルエンジニアリング、アドウェアなど、ほかの攻撃を仕掛けるための踏み台としても利用できる。サーバの正規の所有者は不正侵入に気付いていない場合がほとんどで、攻撃者は犯罪活動を終えた後、そのサーバを再び売りに出すこともできる。

 xDedicの運営グループは、取引の場を提供しているだけで、売り手とのつながりや提携はないと主張していると説明している。

 xDedicフォーラムで売買されているサーバ情報の多くは、人気のある消費者向けのウェブサイトやサービスのホスティング、もしくはそのようなウェブサイトへの接続を提供している。中にはダイレクトメール、財務会計やPOS(販売時点情報管理)処理のためのソフトウェアがインストールされているサーバも含まれている。

 これらのサーバは、所有している組織自体を標的とした攻撃、ほかの攻撃の踏み台として悪用される可能性があるが、所有者である政府機関、企業や大学はその事実にほとんど気づいていないという。

 調査したのは、Kaspersky Labの調査分析チーム「Global Research and Analysis Team(GReAT)」。Kaspersky Labで研究開発に携わる中核部門として、脅威に関する情報収集、調査研究、その成果発表などを手掛けるほか、マルウェアによるインシデント発生時の対応措置を担当している。GReATのディレクターCostin Raiu氏が以下のようにコメントしている。

 「xDedicは、“サービスとしてのサイバー犯罪(cybercrime-as-a-service)”が、商用エコシステムや取引プラットフォームの方法を取り入れながら拡大していることを裏付けている。その存在により、破壊的な被害をもたらす可能性のある攻撃に、あらゆる犯罪者が素早く効果的かつローコストで携わることがこれまで以上に容易になっている。最終的には、標的となった個人や組織だけでなく、無防備なサーバの所有者も被害者になり得るが、目と鼻の先でサーバが再び乗っ取られて別の攻撃に悪用されても、まったく気が付いてない場合がほとんど」

 GReaTでは、このような脅威に対抗するため、以下のようなアドバイスを示している。

  • ITインフラを保護する包括的な多層防御アプローチの一環として、堅牢なセキュリティを導入する
  • サーバ認証プロセスで、強力なパスワードの使用を義務付ける
  • 継続的なパッチ管理プロセスを実施する
  • ITインフラの定期的なセキュリティ監査を導入する
  • 新たな脅威を継続的に組織内に知らせ、それを犯罪者側の視点でリスクレベルの評価に役立てることができる脅威インテリジェンスサービスへの投資を検討する
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