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日本株展望

世界株安と円高加速が日経平均急落の要因--欧州市場でBREXITを警戒 - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-06-17 10:53

どうなる?BREXIT--投票結果別のマーケット展望

 最近市場で注目されている指標に、英国民投票の結果をめぐるブックメーカー(賭け業者)が算出している「予想確率」がある。

 世論調査での「EU離脱支持」優勢が警戒されるなか、英国最大手のブックメーカー(William Hill)の「EU残留確率」は約69%と、依然として「EU離脱予想」の約36%を上回っており、ブックメーカー平均(Oddschecker)でも、「EU残留確率」が「離脱確率」を上回っている(図表3)。

 その他、FXオプション市場におけるインプライドボラティリティ(変動率)をもとに計算される予想確率によっても、残留予想が離脱予想を7対3と大きく凌いでいる(ただし、5月下旬時点の8対3からは低下)。

 こうした背景には、「過去の事例を振り返ると、投票の最終段階では『現状維持への傾斜』が見られた。心を決めていない有権者(未決定=浮動票)にはこの傾向が顕著だった」(6月15日のBloomberg記事)との冷静な判断があるようだ。

 実際、2014年に行われたスコットランド独立を問う住民投票、2015年の英国総選挙では、事前の世論調査よりブックマーカーの予想が正しかったことが知られている。

図表3:ブックメーカーなどによる国民投票結果の予想確率
各種投票結果予想(予想確率)

(出所)各種ブックメーカーの公開サイトやBloombergのデータより楽天証券経済研究所作成
(注)上記は各種掛け率(Odds)や市場分析に基づく参考情報であり、投資成果を保証するものではない
(出所)各種ブックメーカーの公開サイトやBloombergのデータより楽天証券経済研究所作成

 上記ブックメーカーの予想確率を参考にして、23日に実施される英国国民投票の結果が「EU残留」と出るケースを「メインシナリオ」(予想確率6割)と想定し、「EU離脱」と出る場合を「リスクシナリオ」(予想確率4割)と想定。

 それぞれの結果に応じた市場(英国ポンドとユーロの対円相場、英国株式、ユーロ圏株式、ドル円相場、日経平均)の反応を予想し、一覧にまとめた(図表4)。

図表4:国民投票の結果別マーケット展望
欧州市場の為替・株式動向とBREXITのシナリオ別市場見通し
<シナリオ別の「戻り目途」と「下落目途」>

(出所)各種報道、市場分析、Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成
(注)「戻り目途」や「下落目途」は予想値であり、その実現を保証するものではない
(出所)各種報道、市場分析、Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成

 シナリオとして、

  1. 各市場の下落で、「英国のEU離脱」は相当程度織り込まれてきたとみられるが、投票結果が「EU離脱」と出れば、失望売りや追撃売りが出る可能性がある(下落の目途は52週安値からさらに5%程度下落か?)
  2. ただ、実際にEUを離脱するには最短2年程度かかるとされており、英国とEU間の再交渉(優遇関税を含む貿易協定)の行方を見極める動きに転じる可能性もある

と考えられる。したがって、EU離脱の審判が下された後の売り一巡後は、「悪材料出尽くし」で市場はもみあいに転じる可能性もありそうだ。英国政府、BOE(英中央銀行)、EU、ECB(欧州中央銀行)が、国民投票前後の波乱に備え、流動性の供給や協調介入を示唆し始めたことも市場の支えとなりそうだ。

 一方、投票結果が「EU残留」と出れば、欧州市場を取り巻いてきた過度の悲観はいったん後退すると見込まれる。売りが続いていた英ポンドやユーロに買い戻しが先行するだろう(戻りの目途として50日移動平均線を参照)。

 図表4には、「EU残留」を受けたドル円や日経平均の反応(リバウンド)見通しも記載した。BREXITだけが日本株式の材料ではないが、投票結果が「EU残留」と出れば、リスクオフ(回避)姿勢はいったん後退。ドル円は108円程度、日経平均は1万6000円台後半まで買い戻される展開が見込まれる。

 英国国民投票の結果や市場の反応を正確に言い当てることは困難だが、BREXITはリスクではあっても「世界経済の終焉」を決定するものではない。投票結果ごとの市場動向を想定しながら、冷静な姿勢で臨むことが大切だと考えられる。

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