海外コメンタリー

アップルの新ファイルシステム「APFS」--暗号化やフラッシュストレージ最適化など注目点 - (page 3)

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-06-21 06:00

 ファイル名やディレクトリ名で大文字と小文字を区別してほしくない、すなわちケースセンシティブではないファイルシステムを求めているのであれば、残念ながらその希望はかなえられていない。現在のところAPFSは、ケースセンシティブなファイルシステムとなっている。HFS+ではケースセンシティブにしないという選択が可能である点を考えると、1歩後退しているように感じられる。ただ、APFSは現時点ではまだ開発者向けプレビュー版だということを忘れてはならない。

 また、APFSのボリュームは、起動ディスクやTime Machineのボリューム、「Fusion Drive」の一部として使用することができない。そして「FileVault」による暗号化もAPFSのボリュームをサポートしていない。さらに、「OS X 10.10 Yosemite」以前のOSでは、APFSでフォーマットしたボリュームを取り扱えない。

 APFSに興味のある方は、このリンクから開発者向けドキュメントにアクセスできる。

まとめ

  1. Appleは、Apple File System(APFS)という新たなファイルシステムの開発者向けプレビュー版をリリースした。このファイルシステムは、フラッシュストレージ向けに最適化されており、暗号化機能を設計の根幹に取り入れたものとなっている。
  2. APFSでは、より緻密なタイムスタンプが実装され、クラッシュ時のデータ保護が実現されているものの、現在のところはケースセンシティブなファイルシステムとなっている。
  3. APFSでは、スナップショット(読み込みのみ)やクローン(書き込み可能)といった処理のための機能を向上させているため、開発者はバージョニングを用いるなどして、Appleのエコシステム内でのバックアップ処理を変更できるようになる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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