CISOの責務とは何か--経営陣にセキュリティ担当者が加わる意味

河野省二(ディアイティ) 2016年06月23日 07時00分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 経済産業省から「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が発行されたこともあり、企業に情報セキュリティ最高責任者(Chief Security Officer:CISO)の設置が求められるようになったと感じます。セキュリティ分野での人材育成の話題とあいまって、CISOの知識やスキルについて語られていますが、なかなかこれといったものが出てきません。

 いくら有識者が話し合ったとしても、その回答を出すのは難しいでしょう。CISOとは知識やスキルで語れる役割ではないからです。

 どのような知識やスキルを持っているかを検討する前に、そもそもCISOとはどのような役割と責任を持ち、何をするべきか。CISOになる資格の有無ではなく、そこに何が求められているのかを明確にする必要がありそうです。

CISOに求められていること

 CISOは名前の通り、情報セキュリティの責任者であり、経営陣です。日常において、情報セキュリティ対策の状態を把握するために情報を収集し、その確保や維持における予算を明確にしつつ、経営会議などで提案をします。決して、情報セキュリティ事故の時にだけ出てきて謝罪をする役割ではありません。

 CISOには情報セキュリティの現場からは必要なリソースを獲得するための力量が求められ、経営からは情報セキュリティを効果的に担うための提案が求められます。こう書くと板挟みの辛い立場のように思われるかもしれません。これは評価の軸が明確ではないからです。

 では、CISOは何によって評価されるのでしょうか。実際のところ、これは情報セキュリティ担当者全員に関係する課題かもしれません。人材育成の話をする際に忘れてしまいがちなのが評価の視点です。評価できる仕事でなくてはモチベーションを維持できません。情報セキュリティ人材が育たないと言われているのは、ここにも問題がありそうです。

マイクロソフトのセキュリティガイドブック

 経産省とIPAが発行した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」には、情報セキュリティの現場から経営層に対する要望がたくさん込められていますが、経営層からCISOに求めるものは書かれていませんでした。これは経営層の中にCISOが含まれており、そこは自分で考えてほしいというメッセージだったのかもしれません。

 しかしながら実際のところは、CISOは板挟みの孤独な立場になることが多いようです。CISOは経営層の中でどのような立場で自らの存在意義を示したらいいのでしょうか。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算