Dockerは米国時間6月20日、「Docker for Azure」「Docker for AWS」「Docker for Windows」「Docker for Mac」の新しいベータ版を公開した。
同じ目標を共有しているという点で、2組のベータ版(クラウドとクライアント)の間には関連性があるようだ。具体的には、アプリをノートPCからDockerのステージング環境および本番環境にシームレスに移動したり、さまざまなハードウェアやOSをまたいで移動したりできる機能を開発者に提供するという目標だ。
Docker関係者はサンフランシスコで開催中の「DockerCon 16」カンファレンスの初日に公開したブログ記事で、「運用部門にとってのDocker for AWSとDocker for Azureは、開発者にとってのDocker for MacとDocker for Windowsに相当する。これは、セキュアで最適化されたDocker IaaS環境を配備、運用、およびアップグレードする最良の方法だ」と述べた。
Docker for AWSおよびDocker for Azureのベータ版公開に関するDockerのブログ記事には、次のように書かれている。
「Docker for AWSとDocker for Azureのベータ版はいずれも、初期状態で『Swarm』モードを有効にして一連の『Docker 1.12 Engine』を開始する。Swarmモードでは、個々のDocker Engineが自己組織化、自己修復するSwarmを形成する。このSwarmは複数のアベイラビリティーゾーンに分散されるので、耐久性が高い。Docker 1.12では、ヘルスチェックやローリング更新を含むサービス配備API、コンテナを意識したビルトインの負荷分散機能、初期状態でTLSが有効化されたノード通信など、複雑なマルチコンテナアプリを実行するための強力な新コンセプトも多数導入されている」
さらに、「Swarmはシームレスにスケーリングすることが可能で、必要に応じて新しいワーカーノードを参加させたり、離脱させたりできる」という。
Docker for AWSとDocker for Azureのベータ版はプライベートで、20日に公開されたDocker for WindowsとDocker for Macの新しいベータ版はパブリックだ(Dockerは3月にDocker for WindowsとDocker for Macの「限定」プレビュー版をリリースしている)。
2014年6月より、MicrosoftはAzure上のLinuxでDockerアプリを実行できる機能をユーザーに提供している。Microsoftはその後、Dockerと提携して、「Windows Server」にDockerサポートを追加した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。