デプロイ王子 Interop Tokyo 2016へ行く:ShowNet萌え編 - (page 2)

廣瀬一海(デプロイ王子) 羽野三千世 (編集部)

2016-06-23 07:00

ShowNetの監視と互換性検証、運用ノウハウを蓄積するNOC


ShowNetのNOCの様子

羽野 ここはShowNetのNOC(ネットワークオペレーションセンター)ですね。

王子 うん。NOCチームが、ShowNetが停止しないようにネットワークの監視や運用をしてくれている。会期中にネットワークが落ちてしまわないようにするだけでなく、実際の運用を想定した環境を展開して、最新のモニタリングソフトウェア、機器のモニタリング設定なども行う。これで運用技術の向上やノウハウの継承が行われているだろうね。

羽野 なるほど。

王子 ShowNetはインターオペラビリティ(相互接続性)の検証場所として、1994年から開催されてきたんだ。当時は規格こそあれ、各社のネットワークの機器実装はいろいろで、スペックやマニュアルを読んで「きっとつながるだろう」くらいの判断をすることも、実際のところ多かったんだ。ここで機器接続や互換性の検証が行われた実績があるのことは、ネットワークエンジニアにとってとてもありがたい。

羽野 Interopという名称は、このInteroperabilityからきているのですね。納得。うわ、なんですか?このド派手なモニタ。

王子 おお!これは「Nirvana改」。NICT(独立行政法人情報通信研究機構)で開発しているネットワークのパケットやサイバー攻撃の様子を見えるようにしたツール、と言ったらいいのかな?。あのさ、この絵って、むちゃくちゃ萌えない?俺はすんげ~萌えるんだけどなぁ。ちょっと動画撮らせて。

羽野 はぁ・・・

王子 そう囁くのよ私のゴーストが。

羽野 はぃ?・・・

王子 例えば、サイバー攻撃を受けたとき、今まで人の手で作業してフィルタ防御をする設定をしていたんだ。Nirvana改は、通信のログをリアルタイム解析することで、自動的に通信の遮断や隔離などを行って、ネットワークを守っているんだよ。萌えない? これがあれば、僕が安心して電脳化できる日も近いなぁ。


スマホでNirvana改の動画を撮り続けるデプロイ王子

ShowNetができるまで

羽野 そういえば、王子。

王子 どうした。

羽野 ShowNetのこの大規模なネットワークはいつから作っているのですか?イベント前夜にささっと構築できるものにはとても思えない。

王子 実はかなり前から準備が始まるんだよ。2週間前くらいからホットステージと呼ばれる期間があって、この間に幕張に集結したメンバーが構築を進めていくんだ。設計も、あれだけの複雑な構成を作り上げるのだから、かなり前から準備して、練りに練っているはず。寂しくはあるけど、Interop最終日には撤収作業が開始されて、綺麗サッパリ無くなる。毎年夜が明けるあたりまで撤収作業をしているね。

羽野 やはり大変な作業なんですね。

王子 大変ではあると思うけど、やりがいはあるんじゃないかなぁ?STMプログラムというのがあって、これはShowNet Team Memberの略なんだけど、このメンバーになった人がShowNetのネットワーク構築に携われるんだ。ネットワーク屋にはこれ程学びになる機会はないと思うよ。寂しくはあるけど、このイベントが終わる3日目には、撤収作業が開始されて、綺麗サッパリ無くなるんだけど、毎年夜が明けるあたりまで撤収作業をしているね。


STMプログラムで選抜されたメンバーが、開催2週間前からShowNetの設営を始める

【解説】ShowNetを支えるボランティアエンジニア

 ShowNetには、社会人や学生がボランティアでネットワーク構築に参加できるSTMプログラムという制度があります。毎年1月頃にこのプログラムの募集や選考が開始されます。選抜されたボランティアメンバーには、開催2週間前からネットワークの展開を始めるホットステージに参加できる素晴らしい経験が待っています。

 各社から提供される最新の機材を存分にいじり倒せる機会、コントリビュータと呼ばれる技術者からアドバイス、ネットワーク機器に関する技術交流と経験が得られるなど、ネットワークエンジニアを志す学生や駆け出しの社会人には最高のチャンスです。

 毎年楽しみにしているShowNetですが、日本を支えるネットワークエンジニアの皆さんの技術力に、尊敬と感謝の気持ちをもってNOCの様子を眺めるようにしています。(解説:デプロイ王子)



ShowNetの大規模ネットワークは、社会人や学生によるボランティアが構築、運用している

後編につづく

羽野 さて、ShowNetブースだけで半日過ぎてしまいました。王子、そろそろ次行きましょう。

王子 ああ、いつまでもShowNetのパケットを眺めていたい・・・

羽野 後編では、各社の展示ブースを巡ります。お楽しみに。

廣瀬一海
愛称「デプロイ王子」。品川の某外資系IT企業勤務。10歳からパソコンに触れ、プログラミング、インフラ、OS、言語も問わないナンデモ屋。1997年からOSSやLinuxを活用し、主にインターネット向けサーバシステムの設計や無停止設計、分散設計と構築などを担当する。新しいテクノロジが大好きで早期から各ベンダーのクラウドを使い倒している。Microsoft Azureに関連するMCP試験全制覇。2012年/2013年/2014年/2015年にMVP Award Program Microsoft Azure受賞。得意技は「デプロイ」。

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