Microsoftが自ら認める「Linux愛」は同社のクラウド戦略に貢献しているようだ。
MicrosoftのAzure担当最高技術責任者(CTO)Mark Russinovich氏は米国時間6月21日、シアトルで開催された「DockerCon 2016」で、Microsoftが自社クラウドとサーバ製品でコンテナ技術のサポートを拡充するにあたっての最新技術や次期技術の一部を披露した。Russinovich氏はまた、興味深いデータも明かした。
Russinovich氏によると、この1年でAzure仮想マシン上でLinuxを動かす例が4台に1台から約3台に1台に増えたという。残り3分の2では、「Windows Server」が動いているとのことだ。
Russinovich氏は、同社が以前約束していた「Azure Container Service(ACS)」でのWindows Serverのサポートも披露した。ACSは2016年4月に一般提供を開始しているが、現時点で対応しているのはLinuxコンテナのみだ。Windows Serverのサポートも実現するとMicrosoftは述べていた。
ACSを利用することで、開発者は「Apache Mesos」「Docker Swarm」を使ってアプリケーションのオーケストレーションを行うことができる。また、コードを変更することなくコンテナワークロードをAzure間でマイグレーションできるという。
さらにRussinovich氏は、Dockerコンテナで稼働するLinuxで動く「SQL Server」のプレビュー版も披露した(正確には、Azure上の「Docker Datacenter」上に構築したDocker Swarm上のUbuntuで動くSQL Serverとなる)。Linux向けSQL Serverは現在プライベートプレビューであり、2017年に一般公開を予定している。
Russinovich氏はまた、「Azure Marketplace」でDocker Datacenterを利用できるようになったと発表した。さらに、Docker Datacenterを使って、Azureそしてオンプレミスの「Azure Stack」(これは初となる)で動くハイブリッドのコンテナベースのアプリケーションを管理する様子も見せた。
Azure Stackは、MicrosoftのクラウドOSを自社データセンターで動かしたい顧客とパートナー向けにMicrosoftのAzureインターフェースと「体験」を実装するものとなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。