ノークリサーチは6月20日、中堅・中小企業における3つのプライベートクラウド形態に関する調査結果を公表した。
プライベートクラウドにもいくつかの種類が存在するため、同社ではプライベートクラウドを「オンプレミスプライベートクラウド」「ハイブリッドプライベートクラウド」「ホステッドプライベートクラウド」の3つに大別して調査を行っている。
「オンプレミスプライベートクラウド」はクラウドという言葉が登場した初期段階において「パブリッククラウド」の対義語として示された「プライベートクラウド」に該当する。
「ハイブリッドプライベートクラウド」はサーバをユーザー企業が所有するという点では「オンプレミスプライベートクラウド」と同じだが、OpenStackなどのクラウド向けシステム基盤を採用し、同じ基盤を採用するパブリッククラウドとの親和性を高めている点が異なる。なお、「ハイブリッドクラウド」という言葉は、従来はパブリッククラウドとオンプレミスを連携させたシステム環境を主に指していたが、昨今は上記の「ハイブリッドプライベートクラウド」の意味で用いられることもあるので注意が必要だ。
「ホステッドプライベートクラウド」はサーバを1社で占有しながら、サーバを所有しない形態を指す。この点は旧来から存在する「物理サーバ占有型のホスティング」と同様だが、「ハイブリッドプライベートクラウド」と同じようにクラウド向けシステム基盤を備えている点が異なる。
プライベートクラウドの導入移行が過半数
こうした3種類のプライベートクラウドについて、「今後導入する可能性が最も高いと思われるプライベートクラウド形態」を尋ねた結果のうち、年商300億円以上~500億円未満の中堅上位企業層についての部分を抽出したものが下のグラフ。プライベートクラウドの3つの形態を合計した割合(3つの形態のいずれかについて、今後導入する可能性が高いと回答した企業の割合)は50.1%と過半数に達する。この結果からも、中堅上位企業層ではパブリッククラウドと並行して、プライベートクラウドの活用についても進展していく可能性が高いと予想される。