日本株展望

ブレグジット可決で世界の株が急落--日本株は下げ過ぎ?

ZDNet Japan Staff 2016年06月27日 11時49分

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 6月23日に英国民投票で、ブレグジット(英国のEU離脱)が賛成51.9%で可決した。ネガティブサプライズとなった投票結果を受けて、24日はリーマンショック再来のように世界の株が急落した。日経平均は、前日比1286円安の1万4952円だった。為替市場では円が急騰し、一時1ドル99円ちょうどまで上昇した。

 楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏は、日本株は売られ過ぎだという見解を示している。ただし、世界的な株の下値波乱はしばらく続きそうで今が大底とは言い切れないという。24日のCME日経平均先物(9月限)は1万5120円だった。為替は、日本時間27日6時現在、1ドル101.50円だ。

 ブレグジット可決で起こり得るダメージには、(1)短期的にすぐ起こるものと、(2)5年~10年かけてじわじわ進むものがある。窪田氏は、短期的ダメージについては誇張が多いと考えているという。ただし、5年~10年かけて、EU(欧州連合)および共通通貨ユーロが崩壊に向かう可能性を完全に否定することはできないとのことだ。

ブレグジットのダメージは英国よりもEUに大きい?

 EUから離脱することにより、英国経済が受けるダメージは大きいと考えられる。ただし、それを上回るダメージがEUに及ぶ可能性がある。それを表していると考えられるのが、24日の株価指数の下落率だ。

6月24日の日米欧主要株価指数の下落率

下落率

 上の表で、PIIGS(ピーグス)は、EUに加盟している対外借金の大きい五カ国のことを表している。ポルトガル(P)、アイルランド(I)、イタリア(I)、ギリシャ(G)、スペイン(S)の頭文字を取って並べたものだ。豚(PIGS)と音が似ていて(わざと似せた)差別的として、今は使われなくなっているが、欧州の過重債務国問題が深刻化した2010年には何度も使われた言葉だ。

 EUの運営に必要な拠出金は、経済規模が大きい国、経済が強い国がたくさん出す一方、経済の弱い国は拠出額が少なくなっている。つまり、経済の強い国が弱い国を支えている構造だ。英国は、ドイツやフランスとともに拠出額が大きく、間接的にEU内の経済力の弱いギリシャや東欧諸国を支えている。

 英国は、これまでEUに対し、拠出金が大きい割に受けている恩恵が小さいとして、EUから負担金の返還を何回も求めてきた。EUは、英国の求めに応じて、負担金の一部返還を行ってきた。その結果、英国はEUを支える主要国の中では、経済規模の割に相対的に負担が少なくなっている。

 それでも、返還金を差し引いてなお、英国がEUに拠出している金額はEUの中できわめて大きいのだ。その英国が、仮に、EUから完全に離脱して、全く拠出金を出さなくなると仮定すると、英国と一緒にEUを資金面で支えていたドイツやフランスの負担は一段と重くなる。

 EUがギリシャなどを支えていく余力が小さくなる可能性がある。そうしたことを考慮すると、英国が受ける大きなダメージ以上のダメージが、EUに及ぶ可能性がある。

 英国とEUの貿易についても同じことがいえる。ブレグジットが実行されると、英国との間の自由貿易協定は一旦白紙になる。別途、英国―EU間に自由貿易協定を結ぶことになるだろう。万一、英国―EU間の自由貿易協定がなくなった場合どうなるだろうか。

 英国は深刻なダメージを受ける。ただし、それと同じ、またはそれ以上のダメージがEUに及ぶ。英国からEUへの輸出よりも、EUから英国への輸出の方が大きいからだ。

 フランスから英国への農産物の輸出や、ドイツから英国への工業製品の輸出に関税がかかるようになれば、それは、フランスやドイツにとっても、大きなダメージとなる。24日の株価指数の下落率は、こうした不安を表して英国以外のEU諸国が大きくなっている。特に、財政状態のよくないPIIGSの下げが大きくなっている。

 日本も、PIIGS並みの下げになっているが、それはなぜだろうか。日本は、対外純資産世界トップで、対外借金はほとんどない。日本企業にとっては、円高が急伸したダメージが非常に大きくなっている。ブレグジットの直接的な影響よりも、間接的な影響である円高が日本株を急落させているといえる。

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